第95話 ローソク

おいら、ローソク。

あ。火遊びはダメだからな。

おいらはずーっと昔からあるんだ。

紀元前とか、そんなレベル。

ツタンカーメンの燭台とかもあるぐらいだしね。

それだけ昔から人間と共にしてたんだ。

カンデラっていう明るさの単位はおいらの明るさからだよ。

灯りだけでなく、ろうに香りをまぜてアロマキャンドルなんてあったりね。

あ、ろうそくっていっても日本の和ろうそくは別物扱いだったりするよ。

まあ、どっちにしても神秘的だろ?

灯りだけでなく、火の暖かさを利用したものもあるんだ。

けど、火を使うだけあって火事には注意。

火事の原因になったりするからね。

宗教もおいらを使うことが多いよ。

仏教、キリスト教・・・・他もいろんな宗教でね。

それだけおいらは人間に身近な存在。なのかな。

おいらは今、刺さってる。

刺さってるのは、ケーキ。

3歳の誕生日らしい。おいらの仲間があと二つ。

丁度三角形に刺さってる。

人間の世界の儀式らしい。

誕生日らしき子の横に、パパ、ママがスタンバってる。

向かいにはおじいちゃん?かな?スマホ構えてる。

あ、灯り消した。

ぶーーーーっ!!

ぶ?ぶー?ふー。じゃない?

ぶーーー!ぶーーー!

ちょ。つば。つば飛びまくってるぞ。おい。

じいちゃん。スマホ。おい、つば飛んでるぞ。

何とか消えた。まあ、お祝いだからな。

よく頑張った。うん。

でも、3歳だから許されるんだぞ?

となりのパパが同じ事したら、ママに張り倒されるぞ?

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