第79話 ざぶとん
おいら、ざぶとん。
ふかふかだよ。
100均じゃないからね。
3000円するんだよ。
和風なんだよ。
歴史は平安時代にまでさかのぼるんだ。
その当時は畳みたいなものだったんだよ。
で、その畳みたいなのって権威の象徴だったんだって。
すごいんだよ。おいらの祖先は。
茵。っていって、「しとね」って読むんだ。
で、江戸時代に絹とかで出来たのが出てきて名前も座布団に。
中も真綿で出来てふかふかに。
おいらのご主人様はおばあちゃん。
おいら、見た目はきれいでも正直いい年だよ。
でもちゃんと手入れしてくれてるからいまでもふかふか。
ま、おいらを使ってるのは猫なんだけどね。
お猫様。って感じかな。ちょっと気位が高そうだけど、
おいらを気に入ってる。はじめは丸くなって寝てるけど、
そのうち伸びてはみだして、最後は転げ落ちる。
で、どっかいったかな?って思ったらまた帰ってきて、
丸くなって・・・の繰り返し。
で、おばあちゃんはテーブル備え付けの椅子に座ってる。
そう。おいら、そのテーブルの上にいるんだ。
お猫様はおばあちゃんの膝に乗ったりしないけど、
いつもおばあちゃんのそばにいる。
で、ゆっくり時間が過ぎていく。
ずーっとこんな感じだといいな。って思う今日この頃。
(今日はオチがありません。)
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