第8話 杉

おいら、杉

椿大神社の杉。

つばきじんじゃ。じゃないぜ。

つばきおおかみやしろ。って読むんだぜ。

前にデーンとふっとい木はもみの木。

国が違えばクリスマスに偉い飾りつけられてただろうな。あいつ。

おいらは参道入ったら、ちょっとはみ出てる杉の木。

ご神木レベルの太さ、大きさなんだけどな。ほかのとこなら。

でも、先輩たちにはかなわないや。

椿大神社ってすごいとこなんだぜ。

猿田彦大神ってすごいやつの大本宮だそうな。

地祇猿田彦大本宮だってさ。よくわかんないけどなんかすごいらしいよ。

初詣とかも人がいっぱいになるよ。

たまにおいらを触っていく人いるけど。

今日もしがみついてくるちっさい子いたなあ。

そしたらさ、その子のおばあさん?かな。

この木みたいに大きく真っすぐに元気に育ちなさい。って。

椿さんが守ってくれるから。って。

うん。って返事してたっけど、意味わかってないよなあ。

まあ、おいらからも頼んでおくね。

そういや、あのおばあさん。ちっさい頃からここにお参りにきてるけど、

いまだに背中はまっすぐだよなあ。元気だし。

おばあさんさわったほうがご利益あるかもよ?



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