214.使役獣の卵
霊獣白狐の卵を中央テーブルの上に載せているとみんな集まってきた。
「目玉焼きにしたら何人分ですかね~?」
食わねぇよ! 触るな、葵! 穢れる!
「で、これってなによ? 水島顧問」
「それは使役獣の卵だ」
「
「そうだ。使役獣は
「どう違うんだ?」
「使役獣は
PTメンバーってことか。
「ボッチなホルダーにはいいが、PT枠が一つ減るのは痛いな」
「上手く育てればその辺のホルダーなど足元にも及ばない戦力になると聞いている」
「上手く育てる?」
「そうだ。進化して強くなっていくそうだが、
秘匿情報ってことか。
「秘匿されているわけではない。使役獣は一つとして同じ種類は出ないと言われている。そのせいで育て方が確立されていないのが理由だ」
要するにユニーク個体ということだな。
「どうすればいいんだ?」
「主になるものがその卵にTPを与えると孵ると聞いている」
葵、触るなよ! 振りじゃないからな!
じゃあ、やってみるか。
卵に両手を添えてTPを流す。おいおい、どんどんTPが吸われていくんだが? 止まらないよ? あれ? これってヤバくない?
結局、すべてのTPを持っていかれ動けなくなる。狩りの途中じゃなくてよかった……。
そして、何も起きない……。
試しに麗華がTPを与えようとしたが反応なし。ホルダーに収納しようとしたが入らなくなった。仕方ないので、中央テーブルの空気清浄機代わりに使っている、聖結界の石の横にタオルを敷いて置いておくことにした。
何か疲れた……なんて言ってられない。赤星さんお店の予約は?
またしても、力強くサムズアップを見せる。
じゃあ、行きますか。早くビールが飲みてぇ~。
そして、なぜか全員付いてくる。水島顧問と赤星さんはいつものことだからいいとして、月山さんに星野さん、
新人歓迎会は明日じゃなかったでしたっけ?
「今日は誰かさんのせいで、てんてこ舞いでしたからね。飲まないとやってられないわ!」
さいですか。だが、俺のせいではないとだけはっきりと言っておく!
それにホルダーの数が増えれば組織としての影響力が増し、なにより収益が上がる。
単純計算で七等呪位を三チームで一年間狩ったとして、
依頼料五百万円×月に20日間の狩り×十二か月×三チームで三十六億円。クレシェンテの取り分として30%で十億八千万円の収益になる。ウハウハじゃね?
「そう上手くいくかしら?」
「数年……いや、数十年は安泰ですね。六等呪位は五年で百体の七等呪位を生むんですよ? うちが全力で狩っても減るのは微々たるもの。それに東京以外に島根、宮城もあるですよ? うちが東京で頑張ったところで、減るどころか増える一方ですよ」
「そ、そうね。本当にこの日本は大丈夫なのかしら?」
俺たちは狩りやすい所から狩っているが、東京都庁前の新宿中央公園のような簡単には狩りができない場所も多いのが現状。六等呪位も同じだろう。
そういう場所の
所詮は官僚の事なかれ主義なのかもな。
赤星さんが予約を入れたお店はチェーン店の海鮮居酒屋。一室借り切ったそうだ。勇樹のお疲れ会と同じでコースを頼み、個人個人で食べたいものを注文する形にした。
もちろん全員飲み放題。葵と柊はノンアルコールな。
「それでは、歓迎会は明日だけど、一応新人くんが入ったということで、乾杯~!」
「「「「「うぇ~い!」」」」」
「「「「「乾杯~!」」」」
気道確保してジョッキで一気飲み! ぷはぁ~、うまい! もう一杯!
今日の厄日の穢れが払われた気がする。
「おぉー、アニキイケる口っす…・・ですね?」
「強いわけではないが、嫌いじゃない。面倒なら内輪のときは口調はままでいいぞ。だが、ほかの人がいる時は駄目だからな」
「「「「「うぃ~っす!」」」」」
柊がヤンキー四人組に馴染んでいる……。良くない傾向か? いや、馴染んでいるのでいいのか?
「彼らはどんな感じだった? それと彼女らは戦えたのか?」
「こいつらは基礎訓練だから六等呪位とは戦わせていない。瑞葵と麗華は六等呪位でも問題ないな」
「六等呪位と戦わせていない? まさか、六等呪位との戦いに参加させたのか!?」
どこに驚く要素がある? させたのは訓練だけだぞ? 麗華は召喚された
俺じゃないからノーカンだろう?
猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫
ホルダー戦記の工事終了しましたにゃ。
ステータスは本文中ではにゃく、下部に移しましたにゃ。
だいぶ見やすくにゃったと思いますにゃ。
秋の夜長の読書に最適な長編現代ファンタジー。
サクサク読めて、面白さ、可愛さ満点。
一度、読んでみてくださいにゃ!
スメラミクニラビリンス~月読命に加護をもらいましたがうさぎ師匠には敵いません~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884258759
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます