126.ハントデー開始
「「「ごちそうさまでした!」」」
た、平らげやがった……。このフードファイター女子高生ども。
お寿司十人前に料理四人分くらいを三人でだ。俺は結局一口も手を付けていない。
食べないんですか~? 食べないんですか~? とは聞いてくるが、まったく食べる手を止めない花音ちゃん。綺麗な姿勢でお嬢様然とお上品に食べるものの、この中で一番食べたと思われる未来ちゃん。まったく俺のことなどは気にせず食べた
見ているこっちがお腹いっぱいになりそうな気持になる。気持ちだけで、お腹は空いているがな。
「じゃあ、行ってくるね」
「またね~。お兄さん」
「お邪魔しました」
午後の観光に繰り出す妹たち。アクティブすぎるだろう!
俺もお寿司を食べよう。まだまだ残っているからな、当分は食費が浮きそうだ。
そんな妹の
「次来るときは新しい部屋のほうかなぁ?」
「
「余裕だっちゃ! また、来るね!」
「おう」
嵐を起こして風のように去っていく、我が妹。
さて、午前中のうちに勇樹に連絡をしておくか。
今日からやっとハントデーだ。
午後に、クレシェンテに向かい狩り場の選定のためサイトを見ておく。ついでに、水島顧問に資料整理について発破をかけておくのを忘れない。ちゃっちゃとやれ!
「お待たせしました~」
勇樹が来たようだ。
「今日からは俺と二人で七等呪位狩りをする」
「な、七等呪位ですか!?」
「そうだ。その前に俺たちが七等呪位と戦った映像があるから見ておけよ」
「りょ、了解しました」
和泉さんにお願いして映像を出してもらう。なぜか、水島顧問が勇樹に解説をしている。あんたは資料整理をしろよ!
その間に交流会でのランクバトルの取得アイテムを確認。
天戒砲 (+70) TP5使用 魔玉使用で属性追加、攻撃力増加。
中級回復薬 BP1000回復 怪我回復(中) 疾病回復(小)
中級BPポーション×2
天戒砲は片手で持てるくらいの大きさのショットガンみたいな形だ。中折れ式で各属性の魔玉を入れて撃ち出せるみたいだな。何も入れなくても撃てるようだが、一回撃つごとにTP5が必要。
中級回復薬、出てきたな。こいつは麗華に渡して研究用に回そう。
ランクアップでショップのラインナップが増えた。武器防具に+1、+2の付いたものが増えている。合成元の装備のようだが、高い! めちゃくちゃ高い!
普通の霊子ナイフ(+100)が700,000Pに対して霊子ナイフ+2は1,500,000Pもする。
ちなみに霊子剣 (+400)は2,000,000Pで、同じように+が付くと倍以上の値段になる。
さらに光子剣 (+4000)は25,000,000P。無双できそうな攻撃力だが買えねぇ……。+が付くと美酒満開を売っても届かない。
ポイントはお金に変えれるけど、お金はポイントに変えられない。金持ちが無双できないようになっている。ショップの癖に世知辛い仕様だな。
ショップにはそのほかにたまにドロップアイテムとして手に入っていた、魔玉などの使い捨てアイテムも増えていた。この時点で天来砲を手に入れたことに、何かしらの意図を感じるのは俺だけだろうか?
魔玉は各属性一個2000P。一発ごとに二千円が飛ぶ。七等呪位討伐でもらえるポイントが7000P前後なので、四個使うと赤字だ。微妙……。
次は狩り場の選定だな。
ここにしよう。クレシェンテから歩いて行ける戸山公園。そこに箱根山というのがあるらしく目についた。ネットで調べたら標高44.6mなんだそうだ。低っ!? ちなみに、本家の箱根山は1438m。
それとこの戸山公園、七等呪位の宝庫のようだ。依頼が複数出ている。そう、選り取り見取りなのだ。全部狩る予定だけどな。
ポッチとな。よし、出発だ! と思ったら、狩りの映像を見ていた勇樹から意外な一言。
「なんか、恢斗さんってあんまり活躍してませんよね。最後に美味しいところを持っていっているような?」
おいおい、張り倒すぞ!
「よし、今日の七等呪位は勇樹一人で倒せ。俺は絶対に手伝わないからな」
「えっ!? な、なんでですかー!」
「いいか、瑞葵と麗華にはTPぎりぎりまで訓練させているんだ。危なくないように俺がサポートしてな。勇樹はそのサポートが要らないようだからな、最後まで任せる。頑張れよ」
「す、すみませんでしたー!」
ジャンピング土下座してきやがった。こいつは絶対余計なことを一言言って自滅するタイプだ。口は禍の元ということをちゃんと理解する必要があるな。
「罰として撮影機材を全部持って移動だ」
「はい……」
月山さん、水島顧問、赤星さんが憐れむ視線を勇樹に送っている。
自業自得だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます