第5話 告白

神様と二人で遊園地に行った。常に僕達は、笑っていた。本当に楽しかった。


閉園時間が迫る。

ほとんどの客が急いで帰るなか、まだ僕達はぼんやりと魔法の森をイメージしたイルミネーションを見ていた。

左手から伝わる確かな温もり。


僕は、神様に告白した。


「神様………。あのさ……。君のことが好きなんだ。だから、付き合わない?」


「すでにキスとかして、今更感が凄いけど? そもそも、どうしてハクシは私が好きなの?」


「優しいし……。可愛いから」


「なぁ~んか、普通だね~。ん~~? 私が姿形を変えられることは知ってるよね」


そう耳元で囁くと、神様は次第に醜い老婆の姿になった。しかも体が腐敗しており、繋いでいた左手から蛆虫やらムカデらしき者達が僕の体にゆっくりと移行してくる。


「これが、本当の姿かもよ?」


僕は、その老婆のしわくちゃな顔を見つめ、キスをした。


「……やっぱり、ハクシは変わってる。まぁ、そこが面白いんだけどね~」


元の可愛い姿に戻った神様は、何かを決意したように話し出した。その表情から、僕にとって良くないことを言おうとしてるのはすぐに分かった。


「私が、あなたの両親を殺したとしても? それでもまだ私を好きでいられる?」


殺した?


神様が、僕の親を………。


額から、冷たい汗が流れる。神様は僕から距離をとり、静かに離れた。


「それが……真実だったとしても、神様を嫌いにはならない」


「これを見てもそんなこと言えるかな」


「っ!?」


パンッ!!


神様が両手を叩くと、周りの景色がガラッと変わった。一瞬で移動。気づくと道路の真ん中に立っていた。ガソリン臭く、目が痛い。前方で黒のワゴン車が、真っ赤な炎と黒煙を吐き出し、燃え続けていた。その潰れた車内には、まだ三人の人影が……。


あれは。


父さん。母さん。


それと………。


幼い僕だったーーーー。

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