第3話 関係性

放課後。


神様を家に呼び、前から気になっていたことを聞いてみた。


「あのさ………。僕の親のことなんだけど……。どこに行ったの? もう何週間……いや、もっと…………長く見てない。おかしいだろ、覚えていないなんて。どうせ、神様が関わってるんでしょ?」


「それを知ったら…あなたは……」


今まで見たことのない寂しい顔で、僕を見つめる神様。そのキレイな両目からは、今にも涙が溢れそうだった。


卑怯。



そんな顔されたらさ………。もう、何も言えないよ。


「神様が言いたくなったら、教えてよ。ふぅ~~……あ~~~! 久しぶりに二人でゲームする? 菓子とか買ってさ、朝までやろうぜ」


「ハクシ………。私を許して」


聞こえない振り。


「聞こえない振りしないで」


「……とりあえず、キスしても良い?」


「ハクシってさ、たまにスゴい爆弾発言するよね。人間の分際で神に欲情するなんて、ほんと良い度胸してる。まぁ、でも……いいよ。ハクシは特別だから……」


彼女を失いたくなかった。親の話を聞くことで今の二人の関係が無になってしまうなら、知らなくても良い。


とりあえず、今はーーーー。

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