第2話 愚痴タイム

 目的もなしに歩き出した、そして三十分程歩いただろうか適当に歩いていると人が通ったであろう道を発見出来た。


 超ラッキーだ、少し雑草も生えているがちゃんとした石畳が敷かれた『道』がある、コイツの上を歩いて行けばきっと人が居る街につくはずだ。


 1人道を進む、しかし誰も話し相手がいないと色々と考えてしまう。

 まっ内容は愚痴だ。


「……たくっ何で異世界転移でチートの1つもないんだよ、ふざけんなよ」


 思い出すとマジでムカついてきた、そもそも何もチートがないだけならともかく他の連中は魔物を倒したら強くなれるのに俺はなれないってなんだよ。


 ちなみに魔法も俺は覚えられないらしい、何故なら魔法が使えない世界出身の人間が魔力を持ってる訳がないからだ。


 そして魔力を扱えない人間とは魔力を留める『器』を体内に持たない人間と言う事で、魔物を倒したら強くなれるこの世界の人間はその『器』を持ってるから魔物を倒すと強くなれるらしい。

 なら俺にもその『器』を寄こせと言ったら無理だと言われた訳だ。

 面倒くさいからだと? 本当にふざけんなよクソガキ神。


 まあ前世が魔法のある世界の人間なら別なのかも知れないが。

 どうやら俺の二つ前の前世はファンタジーな世界観の大賢者様だったなんて事はなかったらしい、島国生まれの何の才能もない雑魚だったっらしい。


 しかしそれでもクソガキ神は何故か生きて欲しいらしい、ならやっぱりなんかチートを寄こせと言う話になる。

「せめて魔法は使える様にして欲しかったな~」


 俺が思うに神様にもランクがあるんだろう、やっぱりチートをくれる神様は最高ランクの神様で頑張れば強くなれる様にしてくれる神様はそこそこランクの神様だ。


 んで何も寄こさないヤツはクソ神だな、最低ランクの雑魚神である。多分俺はそんな雑魚神に当たってしまったんだ、神様ガチャに外れたのさ。


「……ハァッ親ガチャも友人ガチャも就職ガチャも全部外してきて、異世界転移の神様ガチャも外れましたってか? どんだけだよ」


 なんか涙が出て来た。

 確かにスマホゲーとかのガチャでこれは!って欲しい女キャラに飯代すら課金してもビックリするくらいゲット出来なかった側の人間だけどさ、そんなスマホゲーに限ってガチャの天井が馬鹿みたいに高いんだよな。


 本当にそう言う当たると良いなって当たりは全く引けないってのに……。


「ゴブブッ! ゴブーーーッ!」

「………こういうのに出会うってイベントには当たるんだな、死ねよクソが」


 目の前には緑色の肌をした超ブサイクな子供くらいの背丈の化け物、ゴブリンが現れたぞ。


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