V.3.1 2022年 第67回全日本学生拳法選手権大会 観戦記

@MasatoHiraguri

第1話 はじめに

  双眼鏡なしでの今大会、なるべく近くで観戦しようと、3階大会役員席の端(通路)まで行きました。

  幸運にも、たまたまそこへ通りがかった大会関係者の方の粋なご配慮(通路にいた人たちが見やすいように衝立をずらしてくれた)により、立ち見とはいえ、相撲の砂かぶりほど近くなく歌舞伎座の一見ほど遠くもなくという、ビデオ映像よりも広い視野で観戦できました。

  男女それぞれの準決勝戦・決勝戦、計6 試合を観戦させて戴きました(関学対明大戦はビデオ観戦)が、特に、関西学院大学(かんせい・がくいん)女子の決勝戦(対立命館大学)と、同じく関西学院大学男子の決勝戦(対中央大学)は、今まで気づかなかった「関西の大学日本拳法」について、大いに勉強となりました。

  そこで見た「時間の重みと場数」という、関西と関東の格差に対する絶望感は、逆に日本拳法というものの奥深さを改めて認識することで喜びとなり、また彼らの「アナデジ拳法」は、大学から日本拳法を始めた多くの関東人の心をインスパイアしてくれたのではないでしょうか。


  過去2018年・2019年の実観戦に比べ、今回は絶景の場所プラス別の幸運も重なり、コロナ禍で2年半も台湾に閉じ込められていた私にとって、まさに年末ボーナス気分での3時間となりました。

  せっかく享受したこの幸運を多くの方に味わって戴きたいと、僭越ながら「2022年 第67回全日本学生拳法選手権大会 観戦記」と題し、クリスマスのサンタさながら、私の「幸運体験」を贈り物として、ばら撒かせて戴こうというわけです。


  カントは、何らかの色眼鏡で世の中を見ている私たち人間に、それらを取り払った「純粋理性」(による人生の楽しみ方)というものを示してくれました。

  逆に、様々なものの見方や価値観、豊かな感性・情感という万華鏡(錦眼鏡(にしきめがね)・百色眼鏡・カレードスコープ)のような「心」で「単なる殴り合い」である日本拳法を、より心豊かに楽しもうとする、立教や青学のような「純粋理性を鏡にした」大学も、関東には多く存在します。

この書が、彼らの取り組みと同じく、大学日本拳法という重厚広大な世界を楽しむ上でひとつの参考となれば幸いです。


2022年12月30日

V.3.1

平栗雅人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る