君の声を忘れない

あらいや

プロローグ

 病室の無機質な天井を見ながらふと思う。自分の人生のピークは誰に何と言われても高校の3年間だと。

 高校時代よりも、町は発展し娯楽も発展してあの頃よりもずっと便利になった現代社会。

 自分で言うのもなんだがそこそこ大きなゲーム会社の社長をしてゲーム業界にそこそこに貢献した。(と思いたい)

 高校時代に何の夢も無かった僕に夢を与えてくれた一人の女の子・・・

「もう一度声を聴きたいなぁ」そんなかすれた独り言を誰に伝えるでもなく小さな願いを口にする。

「おはようございます西川さん体調いかがですか?」

看護師さんが聞いてくる

「ああ昨日よりも良くなった気がします」

「それはよかったです。」

血圧などを測り終え看護師さんが病室を去っていく

再び訪れた一人の時間を満喫していると突風が吹き桜の花びら中に舞った。

「・・・美桜」



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