美しい言葉で端的に纏められた文章が創り出すリズムに身を委ねる。すると主人公の想いが音のように沁みわたる。読後の所感です。短編それも3000文字に満たない文章で深層を深く切り取る力が素晴らしいです。これぞ純文学作品の醍醐味といったところでしょうか。逡巡の先に見つけた確かな幸せを抱いて歩みゆく主人公にエールを送りたくなる良作。是非是非。
負の循環を招き得る虐待体験を断ち切った優しい母親の瞳を通して、社会問題への姿勢を力強く描かれた物語。教育に携わる身として大いに考えさせられました。