カラスの手記5

   ◆




 彼女を傷つけてしまった。


 でも、僕はどうしたら良かったのか?


 あんなことを言われて、正気でいられるはずかないのに……。


 彼女は見抜いていた。


 僕が必死で隠している本性を、いとも簡単に見破ってみせた。


 怖い。


 彼女が怖かったのだ。


 だから、僕と兄さんは……。




 なぜ、あの場所に行ったのか?


 あそこは、僕達にとって、タブーなのに。

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