寛容ならば
だけどこんなにゆっくりじゃ困るのよ
それでは俺は死んでしまうんだ
“日本はもともと同性愛に寛容だ”
まあとりあえず間違ってるけどとりあえず飲み込もう
で、寛容ならなぜ制度が整わない?
なぜ同性婚ができない?
寛容なんでしょ?
“憲法で禁止されてるから”とそればかり
じゃあなぜ反対議員はそう言わないの
国の言い分は“想定外”で“禁止”ではない
いつまでもいつまでも壊れたレコードのように
寛容ねえ
表に出てこないで
日陰でひっそりと生きていくことすら許されない
“役立たずに税金を使うな”
寛容ねえ
じゃあ子供を作っていいのか、というと
“そんな子供はかわいそうだから駄目だ”
それで作らないでいると、これだ
寛容ねえ
要するに
“お前はどちらかといえば生まれてこなければよかった存在なのだ”
寛容ねえ
なぜ結婚したいのか、に
いちいち“理由”を求める
“したいから”という答えを
わがままと見なす
確かに社会構造などの話をすれば
納得してもらえるのかもしれないけれど
でもあなたは“結婚したいから”したんじゃないの
どうして俺は細かい理由が必要なの
結婚ができるようになっても
“他の国がそうだから”にすぎない
日本が同性愛に寛容だ、っていうなら
率先して独自に動くべきなのにね
しかしとにかくやがては
同性婚はできるようになるはずだ
だけどこんなにゆっくりじゃ困るのよ
それでは俺は死んでしまうんだ
“寛容”ってなんだろう?
俺は“受け入れられる側”で
あなたは“受け入れる側”
もうその時点で権力が発生している
“私は優しく賢い人間だから
本当は駄目なことなんだけれど
でもかわいそうだからかわいそうなあなたを受け入れてあげますよ”
それが、寛容?
寛容ねえ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます