第1話 転生

「ここは?どこだ?」


目を覚ますと、女の人の腕の中にいた。

えっと、俺、流星漣。

都内の高校一年生。

『RE:ゼロ・ブレード・アーティスト・オンライン』ってゲームで遊んでた。

そしたら、気を失ったみたいで。


(俺?転生したの?)


自分の手が小さい。

足も小さい。

口もまだ上手く動かないし。

何より……体が思い通りに動かせない!

それにこの女、誰だよ?


「あー」


声は出るけど喋れない。

そして目の前には母親らしき女性の顔がある。

髪の色は黒だけど、顔立ちは日本っぽくない。

白人っぽい感じだなぁ。

金髪碧眼の美人さんだ。

でも、何か違和感あるよな……。


「あらあら、お腹すいたのかしら?」


違うんだけど、まあいいか。


「ばぶばぶ」

「おっぱいあげまちゅね」


そう言って胸に吸い付かせようとする。

いや待て! ちょっと待ってくれ!

さすがにそれは恥ずかしいわ!

俺は必死になって抵抗する。

しかし体は言うことを聞かず、結局授乳されてしまった………………


「名前は何にしようかしら?」


父親らしき人のの声がする。


「そうだな。セリスなんてどうだ」

「まぁ、素敵」


セリス?

これって?

『RE:ゼロ・ブレード・アーティスト・オンライン』において、

聖女を殺す黒幕の名前だ……



あれから三ヶ月ほど経っただろうか。

ようやく言葉が話せるようになってきたぞ。


「ばう!」

「どうちまちたか~?」


名前はアイナというらしい。

父の名前はクラウス。

どちらも日本人ではないようだ。

ちなみに今はベッドの上でハイハイしているところである。

最初は自分の体を動かすことすらできなかったが、今ではかなり自由に動けるようになっていた。

もちろんまだまだ赤ちゃんなのでできないことは多いのだが。

まずはこの世界について調べないとな。

本当に『RE:ゼロ・ブレード・アーティスト・オンライン』の世界なのだろうか。

ネット環境があればいいんだけど、そういうものはない。

あとは本とか新聞かな。

文字はまだ読めないが、絵を見ればだいたいわかるだろう。

もしセリスに転生したのなら、両親はそう裕福ではない村人だ。

そんな彼らが字の読み書きができるとは思えない。

とりあえずは両親を観察しつつ、情報を集めよう。

まずは自分のステータスを確認するか。


名前:セリス(仮)

年齢:0歳

性別:男

種族:人間

スキル:なし

獲得予定スキル:魔法剣レベル1(必要スキルポイント10)


よしよし、出た出た。

やっぱりここはゲームの世界だ。

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