Just Like Anyone Else

俺はコミュニケーションが取りたいと思っている

君がそうしているように


でもそれを言ってこの関係性が崩れたらどうしよう

わざわざ言うことじゃないのかもしれない

でも君はそれをわざわざ言わなくてもわかってもらえる

でも俺はわざわざ言わなくてはわかってもらえない


でもだからといって本当にわかってもらえるかどうかはわからない

そもそもそれを言えばそれだけでOKなのかといえばそれは違う

でも嘘を吐くのは辛いし黙っているのも居た堪れない

隠さなければならないのが辛い


なぜわざわざそんなことを公表するのだ、

とはいうけれど、

こっちからすれば、

なぜわざわざそんなことで戸惑うの


俺はコミュニケーションが取りたいと思っている

君がそうしているように


カミングアウトをしよう

ありのままで

ということでも特になく

いちいち面倒臭いから


ゲイを隠す、というのは

ゲイを隠せばいいわけではない

”彼女は?“”結婚は?“

”どんな女性が好き?“

いちいち嘘を吐かねばならない

それがもう面倒臭くて


カミングアウトをしてみた

”あ、そうなんだ!“

かなりあっさり

なんだ簡単じゃないか!


でもやってみてわかった

カミングアウトはいちいちしなきゃいけない

誰もが俺のことを知っているのではない以上

カミングアウトはいちいちしなきゃいけない


そしてそれは一度きりでは終わらない

それは相手の誤解を一つ一つ訂正していくこと

異性じゃなく同性が好き、じゃなく、単に同性が好き

ゼロベースではなくマイナスベースからのスタート


面倒臭い あまりにも面倒臭い

オープンだからって悩まないわけじゃない

生きていくために勇気と覚悟を

それがあまりにも、苦痛


…さて、今後どうしよう


打ち明けても打ち明けなくても問題だ

どっちを選ぶにしてもジレンマだ

もっと普通に生きていきたいんだ

隠すとか打ち明けるとかそういうのじゃなくて


俺はコミュニケーションが取りたいと思っている

君がそうしているように


隠していれば普通に生きていける

隠していれば


バレなかったら普通に受け入れられる

バレなかったら


言ったらびっくりするだろう

言ったらびっくりさせるだろう

言ってもびっくりされない世界になったら

そしたら自分らしく生きられるのだろうか


このままの今に甘んじているつもりはない

だけどどうすればいいのかはやっぱりわからない

それでもなんとなくわかっているのは

世界や社会が変わるのを待ってはいられないってこと


俺はコミュニケーションが取りたいと思っている

君がそうしているように

だからなんとかコミュニケーションを取らなければ

君がそうしているように

他の誰もと同じように


そうそれは自分の意志で、自分なりの生き方で


できるかどうかはわからない

だけど例えば俺には歌がある

それが力と勇気と想像力を与えてくれる気がする

音楽と、みんながそこにいてくれるなら


独りじゃない

あなたもそう思えますように

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