ずっと一緒だよ…!

バニラアイスクリーム

ずっと一緒だよ…!


 私は今ベッドの中で大好きな人に抱きしめられている。彼は既に眠っていて寝顔がとても愛くるしい。


「ふふふっ今日も一日楽しかったなあ。明日も明後日も明明後日も、そして来年も再来年も何十年後、私たちがおじいちゃん、おばあちゃんになってもずっとずっと一緒に居られる…! 幸せすぎて逆に怖くなってしまうよ」


 記憶の隅の隅へ追いやっていたはずの思い出したくない記憶がチラついて途端に怖くなってきた私は、彼の背中に腕を回し私も抱きついた。


 ははは、やっと忘れてきてたのに…………。どうして忘れられないの、、、! どうしてよりによって今出てきちゃうのよ………。


「美涼、大丈夫?」


 思い出したくないことを思い出し怖くて震えていた私に声をかけながら、優しい手つきで頭を撫でてくれる彼。震えていたから起こしてしまったのだろう。申し訳なく思ってしまうが、今はそれよりもなでなでされるのが気持ちよかった。


「優也くんありがとう。ごめんね」


「どういたしまして。でもごめんは余計だろ?」


「うん、そうだったね。ありがとう」


 改めて率直に感謝を伝えた。すると彼はニコニコな笑顔でまた私の頭をなでなでしてくれる。


「ねぇー?」


「どうしたの?」


「私が寝るまでずっとなでなでしててくれないかな?」


「なでなでだけで良いの?」


「ん、じゃあトントンもして欲しいな……//♡」


「うん! いいよ分かった」


 彼になでなでとトントンされながら私は眠りにつく。


「優也、これからもずっと一緒だよ」


 意識が夢に落ちる寸前に私の言った言葉は優也の耳にきちんと届いたのかな。

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