#285 村の伝説

 それはとある村の伝説。

 なんでもその村には、とても美しい娘がいたそうだ。大きな丸い目が特徴の娘。その娘を一目見ようと旅人がやってくるほど。中には結婚を申し込もうとする人さえいた。

 しかし数年後、娘の姿が忽然と消えた。

 とある旅人が町にいる少年に声をかけた。


「すまないが少年、この村で有名な娘を知らないかな? とても美しいと聞いて会いに来たんだが」

 

 少年はその大きな丸い瞳を旅人は向け言う。


「彼女ならもういませんよ」

「そんな……」

「もう、飽きたんです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る