#262 早すぎる日本

 買い物のためスーパーにやって来た。そこで私は目を疑う光景を見た。


「嘘でしょ……もうおせちの予約始まってる……!?」


 今は九月。おせちの一月なんて四ヶ月先だ。


(待ってよ。まだクリスマスケーキならわかるわ。来月のハロウィンが終わればもうクリスマスしかないもの。でも、でもおせちは早すぎない!? いったい何を考えているの!?)


 疑問は尽きない。

 まだ四ヶ月先を見据えて準備をするなんて、日本はなんで早いのかしら。日本人は時間をきっちり守ると聞いていたけれど、まさかこんなに時間を守っているなんて。

 とりあえず、私も日本人に習って予約しておこうかしら。


「恐ろしい国ね……日本は」


 冷静さを装う為、私はプランドヘアーをなびかせた。

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