#119 4月さんのお怒り
「今日で『4月』も終わりだね。お勤めご苦労さん」
「……どうもです」
「今年はどうでした? 『4月』さん」
「例年通りでしたよ。それより、『5月』さんの方が大変じゃないですか? ゴールデンウィークがあるわけですし」
「はははは! そんなものいつもと変わらないさ。ゴールデンウイークさえ過ぎて仕舞えば、何もない。6月君にバトンを渡すだけになる」
「そうですね。それでは、私は休みに入ります」
「おう、お疲れさん」
「あ、そうでした。5月さん、一つ訂正を」
「?」
「私の正式アクセントは尾高型です。頭高ではありません」
「え? 何のこと?」
「ですから、私はあなたの『5月』と同じアクセントではありません。8月君と同じです。後ろが上がるんです。気をつけてください」
「んなこと、気にする必要」
「仕事は正確にしなくてはいけません。いいですね?」
「……ハイ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます