#43 消えたアキ

 四季。それは春夏秋冬を表す言葉。12ヶ月で構成されている1年を4つの月で区切り、それぞれに春夏秋冬を当てはめて四季を設定する。

 しかし、時代が進むにつれて四季が狂い始めていった。当初、春は気温が上がり始め、暖かくなる3月からだと想定されていた。そこをベースに気温から各季節が割り当てられていったが、いつしか気温がどんどん上がっていき、まず秋が消えた。

 秋が消えたことで、日本の風習である四季を改める必要が生まれた。

 今現在、気温は5月からすでに上がり始め、6、7、8月は日々夏日から猛暑日の気温になっている。

 どうするかと話し合った結果、夏が大幅に伸びることとなった。


「では、冬は10月からにして、9月は残夏ざんかとして夏に含めよう。よし、決まりだ。春は3月と4月。夏は5、6、7、8、9月。冬は10月〜2月。これが新たな日本の季節だ」


 こうして日本は、春夏冬の三季となったのだった。

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