#39 本当にあった恐ろしい体験談

 これは私が本当に体験した恐ろしい出来事です。

 その日、私は仕事を終えて帰宅しました。ええ、特に残業とかはなかったので、家に着いたのは18時過ぎだったと思います。それから普通に風呂入って、夕飯を食べて、20時過ぎにはいつものフリーな時間になっていたと思います。

 そこで横になって動画サイトを見ていたところまでは覚えているんです。

 本番はここからなんですよ。いいですか、私は横になって動画を見ていたんです。横になっていたんです。

 それなのに、次の瞬間時計の針は23時を回っていて、いつの間にか布団を敷いて眠っていたんですよ!

 違いますって! 布団を敷いた覚えなんてないし、電気も消した覚えがないんです! 本当ですって! 気づいたら布団に入っていたんですよ! どうですか? ホラーでしょ!? 自分が知らない間に眠ってしまっていたんですから!?

 横になったのは床に直接ですよ! ソファーなんて置けるわけないじゃないですか! 一人暮らしの部屋の狭さ舐めないでください!

 あ、すみません。ちょっと強く言い過ぎました。

 でもどうですか。一番手にしてはいい話でしたでしょ? 

 …………あれ、どうしたんですかみなさん。もしかして、あまりの恐怖に声が出なくなったとか──って、そんなに怖くなかった!? なんでですか!? 十分怖いでしょ! 

 もう、なんだよ……こっちは本当に怖かったんだからなぁ……ホント、布団なんて敷いてないのに、電気も消してないのに……いつの間に寝たんだろ、私。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る