航海者[navigator ]

404

# 1 目的[goal ]

<で、あるからして私は字宙人の仕業であると考えます。>

<いいや、私はアメリカ政府の陰謀によるものだと思うね!>


「お兄ちゃん、何見てるの?」

寝起きのカホがトオルに話しかけた。

狭出県はざでけんの特番。まぁ、聞いてるだけだけど。別に変えてもいいよ。」

「いや、これ見たいからいいや。」

カホはトイレに行き、顔を洗い、テレビの前のソファーに座った。


<では、そもそも狭出県また異能というのは何なのか。改めて、日本異能会の川上コウさんに説明していただきます。>

<はい。まず、狭出県というのは今から190年前の今日、1月1日に突如中国地方と四国地方の間をつなぐよう現れた、いわば小さな大陸のようなものです。そしてその4年後にその狭出県で誕生したのが異能というものです。異能は、みなさんが知っている通り、全ての日本人がそれぞれ持っている不思議な力のことです。>

<何故、出現から190年経った今でもこの2つについての論争が続いているのでしょうか。>

<それは、日本政府がこの2つについての研究を一切禁止しているからです。>

<なるほど、では… >


このあたりまで聞いてトオルは自分の部屋ヘ向かった。

(何が宇宙人だ。何がアメリカだ。結局みんな去年と同じことを言ってる。)

「まあ別にいっか。だって誰かが答えを見つけなくても、僕がもうじき見つける。」

トオルの部屋は壁一面 、狭出県と異能に関する資料でうめつくされていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る