魔女とギルドと速達箱
ある程度整頓された店内に人影が二つ。
普段は使われない長机を挟んで向かい合わせに座っている気だるげな女性と、真面目そうな男性がいた。
女性はとんがり帽子を目深にかぶり、真面目そうな男性の前に小箱を二つ置いた。
「こちらで合ってるかしら?」
「拝見させていただきます」
そういうと、男性は懐から手紙を取り出し、片方の小箱に入れる。
その後、手紙を入れた箱に魔力を流してから開けると、中には何もなかった。
もう片方の小箱を開けると、先程入れた手紙が入っている。
念のため中を確認する真面目そうな男性は、確認が終わると懐から代金を入れた袋を取り出す。
「確かに、お代はいただいたわ」
「では、また入荷したらギルドまでお伝えください」
真面目そうな男性は仕入れ先などの細かい事を聞く事はせずに席を立つ。
店を出る時にとんがり帽子をかぶった女性が声をかける。
「不思議な品物だからと、分解する事はオススメしないわ」
「なぜですか?」
「勢い良く燃えるらしいわ」
「それはまた、どうしてですか?」
「さあ? 私が作ったわけではないから、知らないわ。なんか重要機密を守る時に燃えた方が面白そう、とかそんなんじゃないかしら?」
「そうですか……何とも理解しがたいですが、忠告、感謝します」
その後、冒険者ギルドから盗まれて行方が分からなくなったが、隣の国の貴族の屋敷が火に包まれたらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます