自意識過剰の唄

saito sekai

俺は違う(-д- 三 -д-)



俺は年末年始、バイトに明け暮れていたので、ウッカリ年越し蕎麦なるものを食べ損ねた。年が越せてないような気分になり、蕎麦屋の暖簾をくぐったのが今日だ。


天婦羅蕎麦を注文した直後、何だか日本中が、乗り遅れた俺を一斉に見ているような気持ちがして落ち着かない。


番号が呼ばれ、俺はカウンターに取りに行く。店員の目も何だか意味あるように思えて…


お盆を持ち席に座った途端、店内はわんこそばの会場に様変わりし、俺は選手になっているではないか!両サイドには、蕎麦をお椀に持ち、待ち構える給仕が…


賑やかな音楽が鳴り、手拍子迄起こる。俺は…そうだ!俺は年越し蕎麦を食べ損ねた奴じゃない!選手なんだ!


そう確信した俺は、狂った様に蕎麦を掻き込む。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自意識過剰の唄 saito sekai @saitosekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ