#4 本の選び方(感想)
『19世紀の異端科学者はかく語る』電子書籍化にともない、カクヨム版は序文を残して削除しました。規約の関係でURL載せませんが、書籍版タイトルは『十九世紀の異端科学者はかく語る: ダーウィンの愛弟子ラボックの思想と哲学 -The Pleasures of Life-』です。
電子書籍版を出したからといって、小説投稿サイトを軽んじるつもりはまったくなく、棲み分けしつつ執筆活動を展開したいと考えています。
そこで、ここから先は、翻訳文を引用しながら訳者主観で「感想と解説」を投稿しようかと。
「翻訳者だって、ひとりの読者として感想書きたい!」
そんな主旨で、好き勝手に語ります。
(※引用文は改稿前のもので、書籍版とは異なる場合があります)
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#4 本の選び方(感想)
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前回『#3 本の賛歌』では、著者の「本好き」がびしびし伝わってきて微笑ましいなぁと思っていたら、次章の今回もまだ本の話が続いていました。
好きなことを語りだすと止まらないやつだ!
> 祖先たちは、本を調達するのに苦労した。
> 現在の私たちの苦労は、何を選択するかということだ。
というわけで、著者ジョン・ラボック流「いい本の選び方」について。
内容は原作を見ていただくとして……
今回の話では、友であり師でもあるチャールズ・ダーウィンに、ラボックが学習の選択について相談したエピソードが出てきます。二人は25歳差なので進路相談みたいなものでしょうか。
> 一番重要なことは、興味のあるテーマを選択することだ。
> 何年か前、ダーウィンに学問の選択について相談したことがある。
> ダーウィンは私に「一番興味があることは何か」と尋ね、そのテーマを選ぶようにと助言した。これは、人生における仕事全般に当てはまる。
あのダーウィンのプライベートな話として、とても興味深いです。
以前も書きましたが、ラボックが8歳のときにダーウィン一家が隣家に越してきて以来、生涯にわたって友情を深め、愛されていました。お隣さん同士なのに往復書簡が170通も残っているほど。
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今回の話は、後半から「趣」が一変して、著者オススメの「リスト・オブ・100ブックス」が始まります。
自称・異端科学者、大好きな本について言いたい放題☆★
あまりの饒舌っぷりに、この人は今でいう「オタク」だと確信しました。
オタクってやつは、趣味について語らせると早口でまくしたてる習性があるんですよ。私は詳しいんだ……同類だから。
> 私はこの試みが大胆すぎると感じており、批判を予感しつつも寛容を乞わねばならない。
> これらの作品群は、私自身の提案というよりも、一般的によく推薦されている作品をリストアップしたものであることを重ねて申し上げておきたい。
> このような選択は、一人の意見よりも、人類の普遍的な評決に重きを置くべきだ。
来たるべき批判に備えて、あらかじめ予防線を張りまくっているところもオタクあるある。なお、この章だけ脚注の内容がおかしいので、本をお持ちの方はチェックしてみてください。
今回、個人的にお気に入りの一節はこちら。
> 言葉は物であり、インクの小さな一滴が
> 露のように降り注ぎ
> 何千、何万という人に思いを馳せさせる
> 何千、何万という人に考えさせる
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