#11 宗教(5)
下級民族の宗教は、ほとんど例外なく「恐怖」と「心配」を原則としている。
神々は、嫉妬深くて復讐心が強く、残酷で無慈悲で利己的でもあり、憎悪に満ちているが幼稚でもある。神々は祭祀と供物——しばしば人間の生贄を捧げて鎮めることを要求する。厳格でありながら非常に気まぐれで、善意を捧げても喜ばないことも多い。
このような邪悪な存在から、魔術師や魔女は地獄のような力を得た。
誰も無事では済まなかった。どこに危険が潜んでいるか、誰も知らなかった。
一見、ささいな行動が重大な危険をはらんでいるかもしれず、何の罪もないことが致命的になるかもしれない。
多くの場合、犯罪の神、不幸の神、病気の神がいると考えられている。
これらの邪悪な精霊は、当然ながら、善よりも悪を助長する。
私の精力的な友人は、天然痘が大流行しているインドのある地区に派遣され、そこでは主要な寺院のひとつが天然痘の女神を祀っていた。友人は反対を押し切って人々に予防接種を受けさせ、病気が消えると現地の住民は大いに驚いた。しかし、天然痘の女神を祀っていた司祭たちは動揺を見せず、落ちぶれた女神の像を撤去すると、代わりに自分の紋章を設置できないかと友人に懇願した。
私たちは幸運にも、この比較的啓蒙された時代に生きている。
それゆえに、私たちはほとんど理解していない。祖先が神秘的で邪悪な存在を信じていたために、どれほど苦しみ、どれほど恐ろしい不安によって人生が蝕まれ、影を落としてきたかを。
人間が文明を発展させるにつれて、宗教も発展してきた。
神の力について、より高く、より純粋な観念を少しずつ獲得してきた。
愛と慈悲に満ちた父なら、正直さから生じた過ちを恨むことはないだろうし、悪質な不正義が父に由来するはずがない。私たちはそのことにようやく気づき始めたばかりだ。
この点について、キリストの教えほどはっきりしたものがあるだろうか。キリストは弟子たちに「文字は殺すが、霊魂は命を与える」という教えを繰り返し説いている。
ラスキンは「神の存在」について次のように語っている。
「もし、悪徳を叱責するのではなく、心に訴えかけるとしたら。
もし、要求を主張するのではなく、優しさを示すとしたら。
もし、死の警告ではなく、不死の証明と約束を示すとしたら。
もし(人間は神の存在を否定することができないし、否定する勇気もないが)想像することも許されない恐ろしい神ではなく、もっと身近で、目に見えて、必然的で、すべてを慈しむ神がいると証明することができるなら。神の存在によってこの世界そのものが天国になり、市場の片隅で座りこむ耳の遠い子供は少なくなると思う」
だが、宇宙の究極の真理を、人間の言葉で表現できるだろうか。
表現できたとしても、それを理解することができるだろうか。
そのことを疑う人たちが、宗教研究の重要性を過小評価しているとは思えない。むしろ逆だ。彼らの疑いは高慢さからではなく、謙虚さから生じている。神の真理を評価しないからではなく、私たち人間がそれを十分に理解できるかを疑い、無限を有限に還元できるかどうかに懐疑的なのだ。
正しいことが何であれ、宗教をめぐって争うことは間違っている。
聖アウグスティヌスは「他の人たちが揉めている」のを見て、「私は不思議に思う」と語っている。
判断を保留しているからといって、猜疑心が強いわけではない。
自分は物知りだと自負している人ほど、疑念と不安に悩まされていることが多い。
ワーズワースは、次のように語っている。
「大いなる神よ、私はむしろ
時代遅れの信条に育てられた不信心者でありたい。
この心地よい草原に立っている私は、
寂しさを和らげるような光景を垣間見れるかもしれない」
宗教の世界は、夜を恐れる子供と同じだ。
恐怖を生み出すのは闇と無知であり、光と愛は恐怖を追い払う。
未来に目を向けるとき、私たちはラスキンと同じように「さらに広く平和を求める慈善活動が、無知や進歩のための争いに依存することなく、光と愛の中で、教会が存続し君臨する道を用意している」と期待することができるだろう。
【原作の脚注】
[1] Shelley.
[2] Arnold. Pearls of the Faith.
[3] Tennyson.
[4] Wordsworth.
[5] Chaucer.
[6] Fuller.
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