第16話 いいぞいいぞ!!です。

「いないね~」


 場所は食堂に行く事にしました。

 まぁ、いないんですけどね。

 

 っという事はやはり購買でしょう。

 ここから購買はそう遠くない歩いて数秒ほどです。

 そうして食堂を出て、購買に向かって歩き出します。


 そして、今日は人が多いです。

 食堂もしかり、購買もそれはそれは人の多い事です。

 

「これじゃあ、いるかわからないね」


 流石の面倒くさがりの彼の事だ、この中で揉みくちゃにされて買えないくらいなら少しの空腹で十分とか思ってそうです。


「もう一度、食堂いってみる?」


 もしかしたら気が付かない間に入れ違いになっていたのかもです。

 これだけ人の多い場所だ、ありえない事じゃありません。

 

 そう言って食堂へ向かいます。


「流石に戻ったか?」


 そう彼女がそう言って一通り見て回ると、


「あ、いた~!!」


 その声に、私はビックリします。

 急に叫ばないでくださいしばきますよ!?


 そうして指さす方を見ると、まさくんが居た。

 

「ん?」


 なに、その俺何かしたか? みたいな顔腹立ちます。


「ん? じゃないよ!! 何勝手にいなくなってんの!!」


 いいぞ~、梨乃ちゃんもっとやれ~!!

 私は内心梨乃に応援しながら彼を見ます。


「えっと……」

 

 どうして良いかわからないのか、私を見てきます。


「まさくんの馬鹿」


 後ろに隠れて舌を出してべ~っと出します。

 別に仕返しが怖いわけではありません。

 

「お昼、明美ちゃんと一緒に食べる予定だったんでしょ!! 何何処か言ってんの!!」


 そうだそうだ~!! 

 私の先約を反故にするなんて何様のつもりだ~!!


「いや、新しく出来た友達だし……その……」

「遠慮したと?」


 彼は彼女の詰問にコクリと頷きました。

 まぁ、そういう事なら彼なりに考えた結果なので温情は与えるべきです。


「馬っ鹿じゃないの!!」


 しかし、彼女は許せないようです。

 怒っています。

 

「どんなことがあっても、約束が優先でしょうが!!」


 ん?

 何か照れくさそうな顔をしています。

 何故でしょう?


「聞いてるの!?」


 梨乃ちゃんはその顔にイラついたのか、彼に詰め寄る。

 不味いです、人が集まっているのでこれ以上は目立ちすぎてしまいます。


「た、高田さん…そのくらいで……」

「た~か~だ~さ~ん~?」

「ひゅい!?」


 不味いです、下の名前じゃなく呼んでしまった。

 これは私にも飛び火する前に訂正しなくては。

 決してビビったわけではありません。

 そう、これは気弱な女の子の演技なのです


「り、梨乃ちゃん……」


 そう言うと、彼女は沈黙の後彼に向き直った。

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