グランドワールドⅡ
りく。
異世界での非日常は突然に
俺は細矢 未知(ほそや まち)…、
現代で魔物狩りをやっている。
そして、
首相お付きのハンターをやってる三十路の女だ。
今から一年前この世界には日本を含めて世界各地に魔物と呼ばれる、この世界の生態から外れた生き物が湧き出し、
人々を襲っている。
因みに『魔物』と言う名称は異世界から来たと言うライナという女騎士がふっと、そう言ったので、
首相がそれを聞いて正式に採用された訳だ。
で、
そんなライナはというと俺と共にこの現代で魔物退治に勤しんでいる。
だが時折思う…、
この非日常な日常はどこまで続くのだろう…?
そして、終わりが近づく時、
俺は果たして、
それを受け入れられるのか…?
ヤダなあ…。
ずっとこんな日々が続くといいのに…。
って、
何を子供みたいな事を考えてるんだ。
俺って奴はつくづくヤな女だな…。
いかんいかん!!
それよりも仕事だ!仕事仕事っ!!
そう頭を振るい、余計な考えを振り払うようにしていると…
『その願い聞きましょう…さらなる非日常へと貴女達を…』
とそんな優しい女性の声が頭の中に響く…。
とその時、
ドタドタと奥から走る足音…その主はライナだ。
妙に焦る表情のライナ…、
「どっどうした…?」
俺はそう尋ねると…、
「め、め、女神様の声が聞こえてきてっ!!それでっ!!」
め、女神…?
「と、取り敢えず落ち着けっ!俺にもその女神とやらの声は聞こえたよ…」
「願いって言ってましたが、何か願ったのですか…?」
「い、いや願いと言うか…願望と言うか…?」
「どちらも同じです!!」
ライナにツッコまれた…。
「兎に角っ!!外に出てみてくださいっ!!」
そう言ってライナは窓を指差す、
すると、そこの景色はとてもタワーマンションの最上階とは思えない自然の景色が窓いっぱいに広がっている…。
確かめる為に、玄関を開けるとすぐに芝生が見えた。
俺は恐る恐る踏み出すと柔らかい草の絨毯の感触が靴越しに感じられる。
そこはタワーマンションの最上階でなく湖畔が見える自然豊かな土地だった…。
そして隣に立つライナが一言…、
「ここ、私が小さい頃に良く遊びに行った湖畔ですよ…」
「それじゃあ…ここはライナのいた世界…」
所謂、異世界か…。
そして、
振り返るとそこには木の家が建っている、しかし部屋の内装はタワーマンションの時のままだ…。
そして上空にはグリフォンが気持ち良く飛び回る…、
そして『ニャッ♪』と肩に乗る翡翠の猫ちゃんことエメラが…。
揃って異世界に飛ばされるとは、何とも…。
しかし…ここは、空気が綺麗だな…現代とは違う…。
俺は駆け出したい気持ちでいっぱいだった、俺はすぐライナに…
「ライナっ!今すぐ、この世界を案内してくれ!」
そう言って俺の部屋から刀を取り、それを背負いながらライナの手を引き異世界への第一歩を踏み出した。
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