第15話 美沙  頼み事

 私が、蒼真とカラダの関係になるのに、そう時間はかからなかった。

私は はたちだし、蒼真はまだ16。

これは、青少年健全育成条例とか何かに引っかかるんじゃないのか?

未成年者に対する淫行条例的な?

罰せらるのは私。


「それって、オレが被害者ですって言わなきゃいいことじゃん?大丈夫だよ。

ってか、美沙だけじゃないし。おねえさんは」


そうですか……


私が家庭教師として蒼真のところへ行くのは、火曜、金曜の週2で2コマずつ。

勉強半分セックス半分と言う感じ。

だから、家庭教師代のお金をもらってセックスしているような状態だった。


私が、蒼真と一緒にいる時、家には蒼真のお兄さんもいるようだったが、会ったことはなかった。

「美沙が来る時間はわかってるから、兄さんは部屋から出てこないよ。他人と関わるのがニガテなタイプだから。あ、別に美沙がどうこうじゃないから大丈夫」

そう言っていた。

だからお兄さんに、

『蒼真さんの家庭教師をさせてもらってる浅川美沙です』 

なんて、ご挨拶すらしていなかった。


 

 そんな関係が2年になろうとしていた秋、蒼真が私に頼みがあると言う。

「私に頼み事って何?」

「うん。美沙は、嫌かもしれないけど、嫌だって言わないでほしいんだ」

珍しく真面目な目をしている。

「なによ~?聞く前からイヤな予感なんだけど。とりあえず、言ってみてよ」

「来週、兄さんの誕生日なんだけど、サプライズプレゼントしたくて。

美沙、兄さんと寝てくれない?」


これは、冗談なのか……?

笑うところなのか……?

でも、蒼真は真剣な顔をしていた。


「わかった。いいよ」 

と、答えていた。

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