第5話 歓迎する
ビニール片手に家のドアを開ける。「ただいまー」と一言。すぐさま袋を見て、生存確認。 「......いやはや、元気だ。」袋を開けた瞬間暴れ出した。胸を撫で下ろし、安心した。「お母さんー魚買ったよー」「そう」反応は意外にも薄くかった。 水槽に水を入れ、カルキを抜く、準備完了だ。だが急かす必要はない。まずはその水槽に赤い子が入っているプリンカップを浮かせる。これは温度合わせという。すぐに入れたらダメよ。温度差が激しいと弱っちゃうからな。 30分ほど経ったかな?プリンカップに指を入れ、次に水槽に指を入れる。温度は同じになったかな?でもまだだ。次は、プリンカップの水をスポイトで、吸い上げて捨てる。そして水槽の水を入れる。これを水合わせと言う。なんだかよく分からないけど、「水質」が違うと phショックを起こすらしい。なんじゃそりゃ? 1時間が経った。この水槽に入れよう。ついに、広い水槽にのびのびと泳げるんだ!とそう思うと嬉しかった。「ベタ」はプリンカップから出た。ここはどこだ?と言う顔で泳いでいる。落ち着かないのか、暴れるように泳いでいる。そうだ、名前を付けよう。悩んだがプリンカップの蓋の上に、品種が書いてある。「ハーフムーン」と言う品種らしい。だから「ムーン」と呼ぶことにした。
熱帯魚専門店で、君を家に迎える 三目 区 @beanboy
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★2 エッセイ・ノンフィクション 連載中 54話
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