熱帯魚専門店で、君を家に迎える
三目 区
第1話 ペットを飼いたいな
去年の夏。僕は退屈だった。僕は学生なので、「夏休み」がある。およそ1ヶ月の休日で、毎日が休みで、何時に起きようが、怒られない。学校に行きたくない僕には、とても有り難かった。だが毎日が暇で暇で...。朝起きて、そんで pc開いて、そんで飯を食う。夜になっても pc見て、飯を食う。シャワーを浴びて...いやあ、めんどくさいからあんまり浴びてなかたっけ、深夜になっても pc開いて、菓子を食う、そんで覚えていたら歯を磨く。これでダメ人間の完成だ。こんな生活に嫌気がさした。でも自分には趣味と言える趣味はないが一応、チェスはしていた。だがチェスに没頭できるかといえば、ゲームをした方が 100倍楽しいと思えた。でも興味はあることがあった。ペットを飼うことだ。自分は考えた。犬や猫はダメだろうなぁ、母さんに言ってみたが、ベットで糞やしょんべんしたらどうする?「ダメ」の一点張りだった、生き物が嫌いなのか、金がかかるのか、どっちの理由かは分からないが、何度頼んでも、土下座しても無理だろうな。そう思う、じゃあハムスターはどうだ?いや、すぐ死んでしまうのは、ちょっとなぁ。チンチラ!モルモット!ハリネズミ!思いつく限りの、哺乳類の名前を言ってみたが、ダメだった。じゃあ鳥はどうだ?マンションだからな、鳴いたら迷惑になるだろうし、じゃ、爬虫類はどうだ?虫はちょっとなぁ、心の中にいる自分に聞いてみたが、全てダメだった、ふと思いついた、魚は?目の前にある、pcで「アクアリウム」について調べた。完璧だった。ベットで飛び跳ねるわけじゃあるまい、鳴かぬ、餌はその魚によるが、大体人工餌は食べてくれる。理想のペットだ、早速、熱帯魚を親に頼もうかと思ったが、案の定ダメだった。どうすれば良いのだ...?
そう思った。もうダメだなぁ。と思ったがふと思い出した。昔、うんと昔、何かのテレビ番組で見た、兄妹2人が親にプレゼンをして、犬を飼ってもらったと。確かそんな番組だった。すぐさま自分はこれだ!と思った。早速 pcを開いて、使う機会がなかったパワーポイントってのを起動して、早速作業に取り掛かった。慣れない手つきで、文字を書き、写真を入れ、最後にメリットを書いた。ついに完成だ。他の人から見ればものすごく下手だったと思うが、自分からしたら最高な出来だ。早速母さんにプレゼンをしようと思い、母さんのところへ向かい、プレゼンした。ページ数を見たところ、たった11ページしかなかったのですぐ終わった。プレゼンが終わった時、母さんは笑っていた。何が面白かったのか分からないが、自分も笑顔になった。一応僕にはお姉さんがいる。姉さんが僕に、「今度遊びに行かない?」と誘ってきて、僕はすぐさま「ペットショップ!」と答えた「ペットショップ?」「ペットショップに行きたい!」「わかったよ」会話はこんな感じだったと思う。もしかしたら、生き物を飼ってもらえるかも...!と淡い期待を抱いて、楽しみで仕方なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます