第61話

その後、手を離した冬華と二人を無視して学食に行った。

 

 放課後、バイトも終わり公園でゆっくりしてると、

 急に俺に飛び付いてきた。


「どうしてここに居る?冬華」


「今日はずっと後を付けたから。」

 ストーカーかよ。


 「ねぇ、優。もしかして今日が最後の会話になるかも。」

あーそうなのね。


 「それってどっか行くって意味で?」


「ちょっと違うかな。私は要らない子だし。」

めんどくさいな本当に。正直散々付けられた傷もあってから一切そうなることはどうでもいい。ただお母さんとまなちゃんの約束はあるからな。


 「必要とされて居るだろう、義母に」


「最近は全然、私とも話をしてくれない。」

 前よりもカオス極めてるな我が家は、


 「あともう春香やお母さんのことはどうでもいい。ゆうに必要とされることが全て。」

昔は家族として大切だとは思っていたけど、必要としたことはない。父は話題にすら出なくてオモロ。


 「ゆう、お願いだよ!私を必要としてよ。じゃないと私は、私は死にたくなる。」

本当にとことん俺が嫌うことを言ってくるよな、俺の家族は。

 

 「一つ言うけど、俺は冬華が死のうと別に。」


「ゆう、」


「最初から居ないと思うし、無理だと思うけど挽回のチャンスは無くなる。」


「でも、私が居るとゆうが傷付く。」


 「よく分かっているじゃないか。なら今のこの状況はなんだ?」

 

 「そ、それは」


「はっきり言うが、まなちゃんのように一生を思う様な気持ちは100パーないぞ。だって愛してないし」


「そうだよね。」


 「なら、死ぬ前に最後にゆうとの思い出をここで作ってからにしようかな。」

 さっきの話を聞いてたかな?この顔は意地でもそうする気だ。


 「危な!」

手でキスをガードした。


 「ガード固いね。」


「分かったならどけ。」


「どかない。」


はぁ春香を叩いて以降もうする気は無かったけど、


 「痛い。」


「死ぬ気なら、これくらいで弱みを吐くなよ。」

  あと冬華は顔しか見てないから気付いてないけど、もうそろそろかな。まさか姉の方にもするとはな。

 


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