第63話

 次の日の朝の学校


 授業が始まる時間になるので、教室に座る。

 すると教室に髪がボサボサな冬華が入って来た。


 一部が冬華に話しかけるが、また無視をしている。


 たまに俺を見てはボソボソ何か言っている。


 怖ぁ、


ーーーーーーーーーー

 放課後


俺は今日課題を終わらせて提出してから帰ろうと思い教室に残っている。


 「痛」 「あらーごめんなさいね。」 「大丈夫?冬華」「でも、貴方も悪いのよ。私がこの扉から出ることが分かって、こうして当たるかも知れないのにこっちから出ようとするんだもん」「私なんて」「じゃあね」


課題も終わったから後ろの扉から出ようとすると、


 「ゆう!」

村山に肩を掴まれてしまった。


 どうやらこのクラスは俺が接触をしない限り反応をしないことに慣れてしまったようだ。


 「アンタ、家族が傷ついているのに無視するの?」


俺は冬華の方を見る。


 「うん」


「ほっとくつもり?」


「だって、このクラスで虐めなんていつものことじゃん」


 「そんなの・・・」

俺が相手だか否定しきれないのよな。


「あとさ、村山が自分で冬華を慰めて、華に注意すればいいだろ。」


「私が言っても、二人とも何も聞いてくれないのよ!」


「それは、俺も同じだけど。」


「冬華はアンタのことばかり考えているんだから。」


「そうだけど、俺が言っても通じるのかは別。」


 「なら、せめて華に嫌がらせを辞めるように言ってよ」


 「無理だろ。」


「やる前から決めないでよ!」

なんなの?この人、面倒いことを押し付けようとする天才だな。


「俺が辞めてと言っても聞かないのはクラス全員に立証済み。冬華を転ばせた人も、村山も含めて。」 

 村山も俺が見ている所で、ノートを捨てたことがあった。俺は辞めてと頼んだが、笑いながら捨てた。


「そ、それは」

 このクラスあるある、自分の弱みを聞くと直ぐに黙る。


 「じゃあ、無理だって証明していたので、行きますね。」


「私は、」


「昔の俺なら迷わず助けていただろう。」


 「なら、助けてあげてよ。」


「嫌だ。俺は虐められるのがこの教室では当たり前だと知った。

だから、助けようとは冬華でなくても思わないだろう。そんな俺にしてしまったのはこのクラスの全員つまり村山もだ。だから本来なら助けていた俺を変えた罰として、責任持ってあのメンヘラを慰めろ。」


 そして、俺は村山から離れバイトに向かった。



 

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