第32話

 「あ、反抗期だ」「「本を読み終わったよ、次のオススメある?」「ゲ、最悪」 「臭、まだホームレスやってるの?」


今日もクラスはうるさい、イヤホンを付けているため、ある程度は遮断出来る。


 俺は時間ギリギリに席に座り、授業に備える。


 「もうすぐ体育祭あるからな、お前ら頑張れよ」


そう、もうすぐ体育祭がある。


 俺は既に手を打っており、教師達公認のボッチの俺は、体育祭実行委員に任命して貰い、一番体育祭をテント付きでサボれる役目を手に入れた。ちなみに出るスポーツは玉入れだけ。毎度恒例、スリーポイントシュートの縛りで玉入れに参加している。あとはゆっくりはテントで本を読める。 ありがたいことに外部の参加は出来なく、親が来ることは出来ないようになっている。


 そして、体育祭は問題なく終了し、今年の体育祭も俺は一点も獲得せず終わった。



 「ねぇ、ゆう、お姉ちゃんと打ち上げ行かない?今年は参加する人が少ないけど」


  俺は絶妙に嫌な顔をする。


 「ごめん、やっぱりそうだよね。」


  俺は初めて誘われた打ち上げを断った。


 

ーーーーーーーー

 「お姉ちゃん、どうだった?」


「春香!?」

最近春香に話しかけられるのが正直怖い。

 

 「冬華どう、ゆうくんは頑張ってた?」


「相変わらず、体育祭はやる気を出してなかった。」


 玉入れはビデオで撮っており、玉を一個ずつゆっくりポーズを決めて投げているが、一球も高さが足りず入っていない。


 そして、残りはテントで、堂々とバカンスのように休んでいる。


 「お兄ちゃん、こういう所は変わらないままなんだね。」

 春香が怖く、何か含みのある言い方をしている。


 私から見ると変わった。

 前までの体育祭はサボる時は隠す。

 

 休むなら保健室でするし、玉入れもせめてもう少しはやく投げている。今年は堂々としている。

 

 


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