第30話

  俺はストラップを捨てられた悲しさを忘れない。

 大切な物に思い出に踏み込み貶した怒りを忘れない。


 

 クラスメイトを再び無視が出来るようになった。

 自由に生きるって楽しい。そう思っていた。


 だが、クラスメイトは暴走を始めている。

 冬華が機能しなくなったようだ。


 

 今度は、松本 椎名。


 松本さんは俺のことを陰でゴミと呼んでいる。松本さんが気付いていない所で話し声が聞こえた。あと、態度で分かる。



 どうやら、松本さんは道具を盗まれたようだ。

 正直、自業自得だとも思ったが、このクラスでうるさくないだけ全然ましな人だった。アイツのように暴力を振ったり、鼻(「華」のことを意図的にこの様に記しているのでしょうか?)さんのように土下座を強制せさたりはしない。


 物が無くなる悲しみは、俺がよく知っている。


 


 いつもうるさいが、今日はクラスの女子達が何か企んでいるようだ。キャツも、鼻これもさんもだが、このクラスは放課後に行動をする。俺は松本さんが居ない時に、クラスを見張っていた。


 予想通りだった。


 あれは、やり過ぎだ。


 あまりに躊躇なくやるせいで止めることが間に合わなかった。

 代わりに撮影は出来た。奴らも、大学か就職、決まり次第丁度いいタイミングで送りつけよう。俺は松本さんから、証拠品を回収し、代わりに俺の使っている物を渡した。


 今日は事前にバイトを休むことを連絡してあるので、バックを真っ先に洗濯し、使えなくなった教科書を買いに行った。次の日の朝、今日は教室で待機している。クラスメイトの首謀者達が笑っている。おそらく松本さんが来る頃なんだろう。予想通り、松本さんは登校した。

 首謀者達は、「洗濯お疲れ様です。」と煽っている。

 

 更なる証拠ゲット。


 そして、松本さんは気にせずそのまま、こっちに来た。

 

 「あの、ゆうくん」


「なに?」


「ありがとう、このバックそのまま使ってもいいかな?」


「いいよ、あげるって言ったし。」


「教科書ないよね、これら」


「あー、大丈夫。ほら」


「えっ、どうやって?」


「俺、予備、買ってあったから。」


「そうなんだ。お金払うよ。」


「いいよ、予備が無駄にならなくて済んだし。」

 証拠が集まったしな。


 あと、大丈夫そうだし、

 「それより、本を読みたいから静かにお願い。」


「ねぇ、今度オススメな本を教えてもらっていい?」


うーん。


 「これかな、」

 本を検索する。


「なにこれ?」


「君へのおすすめ」


【人を見下さないようになると変わったこと】


 「、読んでみるね。」

松本さんは、電子書籍で本を購入したことを見せてきた。


 

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