第21話

朝から嫌な夢を見てしまった。



「おはよう、ゆう」


「冬華か、とりあえず本を読むから静かに頼む。」



 今日は席替えがあった。


 位置は最悪、隣も誰でも最悪だが、


 「ゆう、お姉ちゃん隣だね」

くじ引きを交換して強制的になった。


 「冬華が隣で良かった。静かにお願いね」


「えー、お姉ちゃん寂しいよ」

うん、ハズレだな。


ーーーーーー

 昼休み、


 「今日こそはお姉ちゃんと一緒に食べよう。」


「嫌だけど、」


「先に言うけど、男子トイレの占拠はお願いしといたから」


何て迷惑な。


 ガチでされてたから、冬華達と食べることになった。


 「ねぇ、ゆうと一緒にご飯食べるの久しぶりだね」


「、、、」


「ゆう、なんか言ってよ」

 冬華は明らかに悲しそうな顔をすると一緒に食べてると今村くんが


 「ほら、ここまで冬華が言ってるんだし、ゆうなんかいえよ」


「、、、」

さっさと食べて図書館行こう。


 「言えって!」


短気な奴らバカりだ。


 「はぁ、、、俺は昔、姉と妹、友達と食卓を囲んだことがあった。

 その時、ゲームをしたんだ。俺を無視るゲーム。」


「なんのこと言ってるんだ?」


冬華は反応してるようだから、話すことを続ける。


 「俺はあれからな、本当に無視されて来たから、俺はもうご飯中は喋ることをしてない。」


「そんな、子どもの遊びをいつまでも」


「今でも子どもだから俺は続ける。それに昔とはいえ、中学だから割と最近だ。いや、こないだまでそうだったよな。」


「お前は、もう虐めたり、無視するやつは居ないんだから、話せばいいじゃん」


「今村くん、虐める側が、虐めを決めるんじゃなくて、虐められた側が、虐めがあるか判断するんだよ。」

まぁ君にこれを言っても


 「はぁ、それはお前がいつまでもそう思ってるからだろ」

意味の理解は出来ても、自覚は出来ないだろうな。


 周りが、うんうんと頷く


 それだよ、ほんと


 「今村くんいいの、全部わたしが悪いの」

ダル。


 今村くんは何一つももう良くないからね


 「私が今までゆうにして来た数々のことは許せることじゃないのは分かってるけど、謝らせて。ごめんなさい」

はぁ、この悲しそうな顔ムカつくは。


あー残念

 

 俺、みんなの前で言われても効かない人なんだ。


 「冬華、」


「ゆう」


「昔、俺が言ったこと覚えてるかな?」


「何を?」


「謝れるうちに、謝りなさいって」


「うん、覚えてる」


「もう、その時は過ぎたね。全く許せない。じゃあ俺食べきったから、ごちそうさまでした」


「待って、ゆう!」


「もう、俺は許さないし、許しても仲良くなれる見込みがない、だってその結果が、、、俺の大切な物を捨てたんだから」

 

 

 「ゆう、まって、ごめんなさい。ゆう、、でもお姉ちゃん諦めないからね」

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