第13話
クラスに入ると、その日は珍しく静かだった。
昼休みも、
放課後になり、俺は早速バイトに向かおうとすると、
必死に高山達に止められた。
そして、冬華が俺に向かって来た。
「ゆう、、」
「冬華、俺は早くバイト、行きたいんだけど、」
「そっか、ごめん、このあとバイトあるんだよね」
、、、ごめん?
「ゆう、本当にお願い!少しだけ話をしてもらっていいかな?」
どうせ止められるんだから、理由のもう一つとしては、高圧的な態度を取らない昔の冬華のように感じた。
「いいよ、少しだけなら」
「ありがとう、ゆう」
ありがとう??
「ゆう、今までごめんなさい。」
????
「、、ど、どうしたの?」
「私は、最近ゆうが帰って来なくて、ゆうの大切さに気づいた。
そして、この手紙を読んで」
それは、俺がまなちゃんに書いた。
「これを読んだの」
「は、 何故それを持っている?」
「私はこの手紙を読んで、自分のして来たことの恐ろしさに気付いたの」
「 だから、なんで、その手紙を持っているんだよ」
「それは、ゆうの後をこっそり、つけたから」
平気でやばい事を言ってるな。プライバシーすら消えていたか。
「ゆうにとってあのストラップは大切な形見だったのね、」
!!!!
「ゆうが家族にこんなことを思っているなんて知らなかった。
私、本当にお姉ちゃん失格だよね」
「私も、ゆうのことを傷付けて過ぎてしまった。本当に、本当に駄目な姉よね。」
「今度は、お姉ちゃんとしてゆうのことを大切にするから、愛菜さんよりも、大切に思える人になって見せるから、もう一度、お姉ちゃんとして、一緒に居させて。」
「俺もすまなかった。今まで知らなかったとはいえ酷いことを言い過ぎた。」 「ごめんなさい、悪口を言って」 「ごめんハブったりして。」「ストラップあそこまで探してたのには、こんな理由があったのね、馬鹿にしてごめんなさい」
俺は昨日の、暴力から一転して、謝罪を受けている。
俺は、様々なことを思い出す。
既に俺は、何度か、仲良くなろうと頑張ったんだ。
出来るかぎり、クラスメイトの噂には耳を傾けていた。まだ冬華の息が掛かる前は、仲の良かった友達と関係を保つために、相手の趣味に合わせて来た。クラスメイトが困っていた時は虐められる前も、むしろネタにされて虐められることを知っていても、少しでも、仲良く出来るきっかけがあれば良いなと思っていた。
虐められた後に、俺は本当にどうすることも出来なく、余計に嫌われるとわかっていながらも、クラスメイトに俺の悪いところ教えて欲しいと聞いたこともあった。
いじめは悪口を言われたり、教科書を隠されたり、物が盗られたり、体操服が濡れていたりと様々だった。
俺はとても、クラスメイト達が気持ち悪く見えた。
そっか、俺は謝られても許せないくらいもう、限界来てたんだな。
何より、大半はクラスに合わせて言ってるだけだろうな。
普通なら悪いと気付いた時に謝るべきだ。冬華に言われて謝るべきと気付いて謝罪している人も居るのかもしれないが、ここまでしといて、こんなタイミングでの謝罪が許されると思っている時点で人として終わっているな。
「お姉ちゃん、これからはゆうの為に頑張るからね」
「お姉ちゃんがゆうの大切なストラップを捨てたのが悪いの!だから、みんなを許してあげて」
なにより、まなちゃんとの思い出を使って、仲直りしようとしている。(クラスのみんなにいい顔をしようしている)冬華が許せなかった。
「わかった。」
そのお姉ちゃんも許してないから、クラスメイトも許さない。
とっくに、ゆうは自分にとって日々の理不尽を生き残る生きがいを捨てられ、理不尽によりとっく壊れていた。
冬華の謝罪は本当に今までのことを反省して、謝罪したつもりだが、もう、ゆうには届かない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます