第11話

 


 今日は遅い時間に起きてしまった。


「あ、ゆう、おはよう」「なんでまだ居るのよ」「うわ、お兄ちゃんいるとか最悪」


駄目だな、もう流石に限界だ。


「お母さん、二人は俺に家に居て欲しくないようだ」


 最近の春香と冬華は一緒に居ろ、もっと家族と関われと言うが、結局家族と一緒だとこっちが本性なんだろうな。


「そうよ!」「はやく居なくなって欲しい」


「、、」

お母さんの答えはダンマリのようだ


お母さんは俺より、姉妹に絶対的に優先をする人だ。


「なので、今日から俺は家には帰りません。学校には毎日通い続けて、家族の書類が必要なときだけは戻って来ますので、捜索願いを絶対に出さないようにお願いします」


「はぁ??何言ってるの??」 「生活出来るわけないじゃん」

「ゆうくん、そんなの私嫌だよ」



「もし仮に、捜索願いを出されて家に戻っても、同じことを繰り返すので、それでは」



 すでに道具の大半は、バイト先に置いてある。

 最近は、家は寝る場所としてしか使ってなかった。



 プルル

 お父さんか。


 これからは家族全員の電話は鳴らないように設定しよう。


 そもそも、電話してくるのはお父さんだけだったが。



 学校についた。

「あ!只今、家出中の中2さんじゃん」「ホームレスとか笑」




 昼休み


  昼飯をしっかり食べる。

 もう、流石に弁当は作ってきてないようだ。


 

 放課後

 

 腕に力が入った気がするが、気にしないで、バイトに向かう。



 バイトが終わって、シャワーを浴びた。歯を磨き終わった。


 俺は、まなちゃんと遊んでいた公園に向かう。


 ここでなら、まなちゃんの夢を見れるかな?

 





 ゆうくん、何か欲しいの物ある?


 ゲーム機!!


 ゲーム機は流石にな、他に欲しい物ある?


 俺の欲しかった物はお母さんから見たら教育に悪く、また子供っぽいようだ。



 

 お兄ちゃん、トマト食べてよー!


 ごめん、俺トマトが一番、苦手でさ。


 えぇ、、こんなに美味しいのに!


 ゆうくん、頑張ってトマトは食べて欲しいな。


 俺は一個頑張って食べたが、結局その後何個も食べた。




 ゆうはどこに行きたいの?


 遊園地かな?


 そのあと花畑に行った。


 中2になってから一緒にお出かけすらしていないが、

 

 

 ごめんね、ゆうくん春香のことを許してあげて、財布のことはお母さんからも言っとくからね


 何も変わらない。



 ゆうさ、誕生日だからって少しだけ調子に乗ってない?

 

 その日は誕生日だからでなく、アニメの放送が決まったからだ。

 俺はプレゼントを貰えないから期待すらして無い。


 





 この家では、俺の主張は全く通らない。

 



 ストラップ以外も、勝手に捨てられることは沢山あった。



「このストラップは本当に大切な物だから絶対捨てないで」

 

 ストラップはまなちゃんのこと以外で、

もう一つの家族へ俺の思いが通じてる証だと思った。

これだけは俺の気持ちを汲んでくれていると思っていた。



 

 ーーーーーーーーーーーー


「ゆうくん、本当に今日は家に帰ってこないの?」

 

「お兄ちゃんなら、どうせもう少ししたら、お金も無くなって帰ってくるでしょ」


「ほんとストラップを捨てられたくらいで、駄目な弟ね」


「やっぱりゆうくんのあの異常な執着はおかしかったわね」



「ちょうどいい機会だし、これで頭を冷やしてくれば?」


「お姉ちゃんの言う通りだね」


「確かに、最近ゆうくんは家に帰っても話をしてくれないし、外で一回気持ちを落ち着かせて貰った方がいいのかも」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る