夢中になれるもの
中学校
色々なことがあった小学生時代だったなと振り返り、次は中学生編を読むことになる。まず、小学生時代から知るひとのみならず幾つもの学校から集結する
過去に自転車事故が起きたことで徒歩通学しなくてはならず、それは真新しいセーラー服を着た蒼唯も同様であった。入学式が終わり、クラスに行って仲良くなろうと挨拶をしようとするが何かウワサになっていた。
入学式初日にクラスメイトからウワサになることはまずないのにも関わらず、その状況に戸惑っていて正面を向きつつも耳はウワサ話を聞いているとサッカーチームの全国優勝に貢献した助っ人ストライカーとの盛り上がっていた。
長い髪をポニーテールに束ねてしばらくすると当時優勝メンバーとして同じピッチに立っていた男の子から声をかけられてサッカー部に入ろうと誘われる。
だが蒼唯の進学した中学校は公立だが強豪校として知られており、私立を倒したいという
そのチームに入部して高みを目指してプレーをするのもいいがやるならばやはりレギュラーとして試合に出場をしたい、だから部活動には慎重に決めたいと考えていた。
運動部の体験入部に行くと運動能力が高く、顧問の先生が求めるもの以上にやってまだ正式に部活に入っていた訳では無いのにこのまま入部して欲しいと多くの部活から声をかけられた。
その中で興味を持った部活は陸上部とバスケ部だった。
短距離走、長距離走、幅跳び、高飛び等と1つの部活なのに多くの種目があることに魅力を感じて何が自分に合うのかと考えると楽しみだと感じていた。
もうひとつのバスケ部は単純に小学校の時になくてやってみたいと思うのとテレビでバスケの試合を見てカッコイイと感じていたからだ。
そして最終の部活動希望調査で人数過多のこともあり、陸上部に入部することが正式に決定する。困ったことにどの種目においても平均くらいで何か秀でている種目がなくて悩んでいた。
周りからは何をやらしても出来ると思われがちだがこの時初めてこれが『器用貧乏』なのかと落胆していた。運動能力に自信があっただけに何に主種目とするか顧問の先生や先輩たちに相談をよくしていた。
適正を見たいからとその日その日でウォーミングアップを終えてから種目を転々としている中で短距離走をメインにやっていきたいと自分で決めた。
顧問の先生からどのように走って腕振りはどうしたらいいかとアドバイスをもらいつつその中でどうすればタイムを刻めるかを常に考えて走るように心がけていた。
頑張らなきゃ
陸上部に入部することが決まって以降、走ることが楽しいからずっと走っていたいという気持ちで毎日を過ごしていた。その一方で勉強も手を抜けないと感じていた。
小学生の時は算数と呼ばれていた科目が中学生になって数学と変わり、今までになかったマイナスの計算であったり整数、不等号で未満は含むが以下は含まないとややこしく予習と復習が必要となってきていた。
その上、複数の小学校から集まる中学校において1点の重みを感じる。たかが1点と思われるがその1点で順位にも大きく左右されるために確実に分かる問題を増やさなきゃいけないと身に沁みていた。
特に苦戦したのは理科と数学。この科目に関しては公式を理解していなければ問題を解くことが出来ない。泣きながら公式を覚えたと絵日記には記されている。それを読んであの時の自分、頑張ったねとまた涙が溢れてくる。
2年生の先輩にその話をすると残酷なことに2年生になったら方程式を応用した連立方程式や関数、証明や確率を勉強をする。その話を聞きつけた3年生はその先には式の展開、平方根、解の公式。相似と待っているよ。
その言葉を残して校門を出て帰って行った先輩たち、その背中には数学は定義や定理をちゃんと理解しないとダメ、単純に公式を丸暗記してはダメだなと実感する。
公式を理解しようと頑張ったおかげで数学や理科はそこまで苦手意識を持つことなかった。クラス順位、学年順位ともに平均を推移している。
中学校に入学して約半年、この時は行きたい高校の方向性というものはなくて自分の学力にあった高校に進学が出来ればいい。私立だと高いから公立にしておこうかなと思うくらいでいた。
私立に行くには陸上部で結果を残して声をかけてもらえれば行きたい気持ちもあったが今の成績では特待生なんて
そう考えるとより勉強を疎かにすることが出来ない。特待生の可能性がない以上、少なからず勉強をしなくてはならないと中学1年生の段階で悟っていた。
家に帰ってから予習と復習をするために学校内では出来る宿題はなるべく授業後にやるようにしていた。時間は有限、どうやって時間を割くかと常に考えていた。
周りも蒼唯と同様に宿題をしていて家で宿題をやりたくないのはみな同じだと気づいた。中には習い事や塾に通っている子がいると思うと自力でも順位を下がらないことを見せつけたいと何故か萌えていた。
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