第18話 欠陥奴隷は食事で強くなる
起床して部屋を出た俺は、既に起きていたサリアに挨拶する。
そして、スキルの複合化について報告した。
大喜びしたサリアは興味津々だった。
さっそく実践をせがまれたので、目の前で披露することにする。
>スキル【痛打】【強打】を複合
>スキル【破撃】を取得
今回も上手くいった。
やはり類似するスキルを合わせると、上位互換の能力になるらしい。
打撃系のスキルとはまた使い勝手がいい。
他のスキルとの複合もしやすそうだ。
「スキルの進化も珍しいけど、合体なんて聞いたことがないわ。あなたって本当に幸運ねぇ……」
サリアがしみじみと述べる。
強力な魔術師である彼女から褒められると少し嬉しい。
そんなやり取りを挟みつつ、俺達は別室で朝食をとることになった。
席に座った俺は分厚いステーキにナイフを落とす。
驚くほど簡単に切れたことに驚きながら、フォークで突き刺してかぶりつく。
>スキル【鋭牙】を取得
>スキル【鋭爪】を取得
ステーキを味わいながらスキルも入手できた。
それぞれ有効化してみると、歯と爪が獣のように尖った。
あまり使う機会はない気がするも、武器が無くなった時に役立つかもしれない。
>スキル【打撃耐性】【斬撃耐性】を複合
>スキル【物理耐性】を取得
食事を進めながらスキルの複合も行ってみる。
防御能力の上昇は重要だ。
どこまで効果があるのか分からないが、かなり有用な結果である。
俺は未だにレベル6のままだ。
基礎的な身体能力が低く、生存率を高めるスキルは大歓迎であった。
>スキル【回復】を取得
スープを飲んでいると新たなスキルを入手した。
具材の何かから取得できたらしい。
料理はすべてサリアの手作りで、何を使っているのか見ていない。
まあ、味は美味いのでいいだろう。
スキルの取得や複合で興奮していたが、これほどのご馳走は初めてである。
先ほどから何度も感動していた。
顔色を変える俺を、サリアは楽しそうに観察している。
視線に気にしながら食べ進めつつ、ついでに所持スキルから検証を続行した。
>スキル【自然治癒】【再生】【回復】を複合
>スキル【高速再生】を取得
三つのスキルの合成も問題なくできた。
とても良い能力が出来上がっている。
あまり怪我はしたくないが、英雄を目指す以上、負傷する場面はある。
そんな時に活躍してくれるはずだ。
以降は特にスキルを得られなかったが、非常に満足のいく食事となった。
美味い料理で腹も満たされた。
一日の始まりとしては、最高の部類と言えるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます