忍者の価値

 おっす、みんな! 元気してるか?

 拙者は不元気! 元気ならず! でもいわゆる「精神安定剤」の類いを処方してもらって、精神を安定させているよ。その代わり眠い! めちゃくちゃ眠い!

 でもすごい薬でさ? 簡単に言うと気分の落ち込みを軽減する薬なんだけど、効果が1日もつと主治医は言ってたのよ。本当に効果があるみたいでね。日中は落ち着いていられるんだよ。夕方になると落ちてくるんだけど。おかげで仕事に行きたくないという気持ちが抑えられているよ。

 心臓がざわざわすることもなくなったよ。でも、週末になると気持ちが切れそうになるね。1週間が長く感じてしまって、仕事いきたくない……ってなる。まためんどくさい行事の担当にさせられたし。やっと夏休みの行事祭りから解放されたと思ってたのに。他事業所との交流会とか面倒オブ面倒。まあ、対外という経験値を増やすと思ってね。

 主治医に「仕事に行きたくなさすぎて仮病を使って休みました」って話したら「そういう手段は積極的に使っていきましょう」って言われたよ。なんなら、まとめて休みを取るための診断書も用意してもらえるらしい。そうしたほうがいい状態ってことね。健康診断の問診票に治療中の病気を書く欄があってね。なんて書いたらいいか主治医に訊いたら「うつ状態」って書けばいいらしい。やはり拙者はうつ状態でござったか。

 でもまとめて休みを取ったら、もう行きたくなくなるよ。そのままフェードアウトになるよ、きっと。まあ別にそれならそれでいいんだけど。早く辞めたいことに変わりはないからね。

 薬の効果があるうちはいいんだけど、夕方になって切れてきたとき、ちょっとしたことがあってさ。そこから「私って価値のない人間なんだった……」って方向に思考が切り替わっているよ。久々に三日月川大橋(仮)のてっぺんからの手招きを感じたわ。まあね、価値のない人間なんだから、いつフライアウェイしたっていいのよね。誰も引き留める理由はない。

 こうやって自分を抑制する理由ばかり増えていくんだよね。まあそれは拙者の人間性のせいだからしょうがねえな。自分を押し殺して生きたほうが迷惑かけないってもんだよ。

 価値のない人間の生み出す作品に価値はあるのか……。せめて作品にくらい価値があればまだ生きる意味があったってもんよ。

 あ、そうよ。イベントの報告をしてなかったよね。本は捌けなかったけど楽しかった! ずっとあつ森と原稿してたわ。スペースで原稿してたら営業に来た人が「お忙しいところすみません」って声かけて来て笑った。

 ずっとあつ森と原稿してたけど、イベントってそこに居るだけで楽しい。イベントの雰囲気って最高よ。一般参加したのは2回くらいしかないけどね。いつもサークル側。本を出すの大好き忍者だからね。12月は2冊、出せたらいいなあ。新刊だけってめちゃくちゃ寂しいスペースだったわ。

 イベントのあとは焼肉に行ったよ。久々に肉を食べて美味しいと思った。というか、久々に食を楽しめた。ハイボールと焼肉なんて最高の組み合わせでしょ。やっぱりお腹が空いてるとご飯が美味しく感じるのね。

 1日ずっと遊んで、本当のストレス発散を体験したよ。まあ、高柳(仮名)のおかげなんだけど。1日ずっと遊んでくれた。ありがとう、高柳(仮名)。きみのおかげで拙者はしばらく頑張れるよ。

 と言っても、自分に価値はあるのだろうかという自問自答に辿り着いてしまったわけだけど。本を2冊も出しても、その作品に価値はあるのか。最近、2作品を完結させたが、公開している16作品も何も価値がないかもしれない。この原稿も?

 人間性は悪いけど良い作品を生み出す人、とかだったらよかったのにね。人間性も悪いし作品も大したことないって最悪やな。拙者という人間の持つ価値とは……。

 自分の評価を外的に求めるから価値がなく感じるんだよね。まず、自分が価値を感じるものはなんなのか? 価値を付けるんじゃないんだよ。自分が価値を感じることを形にすんねん。価値は後付けじゃないの。物で言えば原価よ。まず原価があって、そこから値段を設定する。それが価値になる。おわかり? プレゼントだって裸のまま渡すんじゃなくラッピングするでしょ? ラッピングまで済んだところで価値が決まるんだよ。おわかり? わからない? それはそう。

 へこんでたのに急に饒舌になってしまった。まあ、そうやって生き抜いてきた忍者だから。あと酒の力があるから。ね。酒の力に肖ろうね。

 まあね、まずは自分が価値を感じるものはなんなのかってところですよ。話はそれから。ココアでも飲みながらのんびり考えなさいな。

 時間ならいくらでもあるからな!!!!




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