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スピカの胸に、銀色の笛が輝いていた。
麻の紐で首からかかったそれは、シリウスのあらゆる色を反射しているようだった。
「はい、ジャックの分よ」
スピカはキュロットから、ピカピカの笛を取り出した。
それは出来立ての新しい光で、シリウスの色を反射しているみたいに輝いて見えた。
「くれるのかい?」
「ジャックが良ければね」
ジャックは笛を受取った。
麻の紐を首から下げると、ジャックの胸にひんやりとした勇気が灯った気がした。
「12歳以上で、勇気と、何か得意なことがひとつでもある子どもはパトロールクラブ隊員になれるの。仕事があれば、毎日じゃなくても構わないのよ」
「勇気と得意なことか……どうかな」
大丈夫、とスピカが微笑んだ気がした。
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