107
水晶のような光をぼんやりと見つめながら、冷たいジェラートが祭りの熱を冷やしていく。
ミルクがかった
パチパチと弾ける煌めき。
冷たさと高揚が、アイスがとろけていくように、周りの空気に溶けていく。
ぼんやりと視点をぼかして、遠い記憶にフォーカスする。
大切な人。時間。想い。瞬間。
心地よい冷たさはすぐに消えて行ってしまうけれど、どこか、体に沁み込んで、自分の一部となっているのかもしれない。
鈴の音が聴こえた。
人々の笑顔が流れていく。
「……あ」
ジャックは人込みの中に茶色のモノクルを見つけた。
向こうもこちらを見た。
「やぁジャックさん、いい夜ですね」
「こんばんは」
ダンカンさんの手にも、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます