105
友だちを見送った後は、嬉しかったような、きゅっとするような、ランタンの灯りのような、静かな気持ちになる。
ジャックは少しその場で夜空を見上げた。
静かな空に浮かぶハッティワークスのガラスの気球が、ジェイクの瞳にも見え、スピカの笑顔にも見えた。
弦のメロディーがだんだんと大きくなってくる。
「城の外から聴こえるんだ……」
音楽を求めて、ジャックは城を後にした。
夜風の中で、沢山の人が、思い思いに楽器を奏でていた。
来た時には見えなかった景色が、ゆっくりと歩くジャックには見えた。
あの色も、この色も、知っていた。
一人になって、ゆっくり周りを見回すと、自分が周りに関わった仕事たちが見えた。
自分を見守る人の技や思いやりも、見えた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます