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「ジェイク、ごめん、僕、ちょっといってくる」


 パレードは行ってしまった。


 ジャックは追いかける……!


 懸命に人混みをかき分けて。


 光の波を縫うように。


 あれは確かに、スピカの姿だった。


 この町のことを最初に話してくれた友だち。


 この国の人々のこと。


 美しい景色のこと。


 楽しいこと。


 それから今見た景色のこと。


 「シリウスここはいい国だね」


 そう言ったら、スピカはどんな顔をするだろうか。


「君!」


 肩を掴まれてジャックは振り返った。


 門兵が小さなジャックを心配そうに見つめる。


「すみません、向こうに友だちが……ここを通してくれませんか?」


「ふむ……いつもは誰でも入れる城だが、向こうはパレード隊のバックステージなんだ……」


 ジャックはたたずみ、向こうを見つめた。

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