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「いってきます!!」


 スピカは元気良く駆け出した。


 学校に早く着きたい。

 早く、早く……!


 今日は何があるのか。


 友だちとどんな話をしよう!


 太陽を浴びながら、心が弾んでいく。


「ヴァネッサさんおはよう!」


「おはようスピちゃん」


 用務のお姉さんに手を振り先を急ぐ。


「よう!きのこ頭の友人よ」


「ジェイク!おはよう」


 帽子を被ったスピカのふわふわの金髪は、少しきのこに見える。


「まったく、毎朝元気なもんだねェ」


 ジェイクは黒い髪をターバンでまとめ、大きいリュックをガチャガチャやりながらスピカに付いて走った。


「ジェイクこそ!」


「あのなぁ、オイラは走りたくて走ってるわけじゃないんだぜ。古馴染みがなぜか毎朝疾走してるからなぁ」


「気持ちがいいじゃない?」












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