第11話
ここはボス専用の階層なのか、他のモンスターは湧かない様だが、一応警戒しながら扉の前にやってきた。
「大きいなぁこれ、私に動かせるかな?」
手を触れれば勝手に開く仕様だと嬉しい、なんて都合の良い事を思いつつ、ボス挑戦前にステータスを調整しておく。
ここ5階層までの間に、22と大幅にレベルを上げた恵奈だが、ほとんどDSMR-01の一撃でモンスターを屠って来た為に調整を全くしてこなかった。なので、敵も出ないし丁度良いタイミングだった。
因みにステータスだが、このようになっている。
レベル:7 → 22
体力120 → 370
魔力700 → 2200
スキルポイント:0 → 60
大幅な上昇を記録しており、魔力に至っては、遂に四桁に突入。
その影響で大量の通常弾を量産できることとなり、戦闘中、無駄弾が発生しても苦しくなる事は無くなった。
因みに魔石を消費して生成もできなくはなかったが、魔石の品質が低いからか5個で1発しか生成できず、結局通常弾でモンスターを倒す以上、採算が取れない為に自身の魔力を強化に走ったのもある。
「さて、スキルスキル〜」
実は、取得するスキルは事前に決めている。
【体力自然回復速度上昇】だ。
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スキル【体力自然回復速度上昇】
・体力の自然回復速度を上昇させる。回復する速度はレベルに依存する。
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体力自然回復速度上昇をなぜ取得するか。
このスキルは魔力回復の体力版。
スキル一覧に”回復魔法”の様な便利な魔法がないことから、スキルで唯一回復できる手段であり、体力が少ない現状、取得しておいて損はないと考えている。
昔は攻撃の為の弾薬を生成する為に、魔力が少なくても生産しなければならない世知辛い状況だった。当たらなければ問題ない体力よりも魔力優先!
しかし、今はもう違う。
「取得っと」
ステータスに【体力自然回復速度上昇】が追加された。
スキルポイント:60 → 58
そして強化。
通常スキル
【弾道予測】レベル:1 → 10
【罠感知】 レベル:1 → 5
【気配感知】レベル:3 → 10
【肉体強化】レベル:3 → 10
職業特性
【狙撃技術】レベル:2 → 10
【弾丸生成】レベル:1 → 10
スキルポイント:58 → 14
となった。
「あれ?職業特性は上位互換じゃなくて、そのまま数値が増える仕様なんだ」
通常スキルをレベル10にしたことで、【弾道予測】【気配感知】【肉体強化】の三種類は上位互換に進化することができると通知が来たが、スキルポイントの残量的に断念する。
職業特性のレベル10の次は、11、12、13・・・と数値が上昇するだけのようである。
【狙撃技術】に関しては、弾道計算やら何やらの知識、技術的な補助など狙撃手としての感覚が強化されたようである。
【弾薬生成】はというと。
『スキル【弾薬生成】のレベルが一定値を超えました。
【徹甲弾(消費魔力量50)】
【徹甲榴弾(消費魔力量100)】
が生成できるようになりました』
「おお、新しい弾種が2種類も!」
レベル5毎に一種類の弾種が追加される仕様であった。
早速、詳細を確認する。
【徹甲弾】
・装甲で覆われているような堅固な目標を貫くために使用する弾種。
【徹甲榴弾】
・徹甲弾の弾頭に少量の爆薬を内包する弾丸。装甲や障害物に突き刺さってから炸裂する。
スキルレベルを上げて解放されたからか、とても強そうだ。ボス戦で早速利用させていただこうと思う。
「さて、漸くスキル進化だ!」
前回できなかった【魔力自然回復速度上昇】の上位変換。それに必要なスキルポイントを残しておいたので、今ここで行う。
【魔力自然回復速度上昇】レベル:10をタップ。
またあの音がした。
『【魔力自然回復速度上昇】が最大レベルに達し、上位互換へ進化が可能となりました』
『上位変換にはスキルポイントを10消費します』
「進化っと」
『”魔力自然回復速度上昇”は【高速魔力回復】へと上位変換されました』
スキルポイント:14 → 4
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スキル【高速魔力回復】
・”魔力自然回復速度上昇”の上位互換。
・魔力を高速に回復させる。回復する速度はレベルに依存する。
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「よし、これで貧乏な思いをしなくても大丈夫だね・・・」
回復速度がどれくらいだか検証するため、通常弾を1発生成する。
すると、
「おぉ早いっ!」
ステータスの魔力数が直ぐに上昇し、通常弾1発分である魔力量10を瞬く間に回復させてしまった。
これは凄いことだ、と調子に乗った恵奈は、通常弾の他にも上位弾頭である徹甲弾や徹甲榴弾を複数発用意してみた。
そして判明した事実。
「回復速度は上がったけど、なんかお腹が凄く減ってくる・・・」
高速に回復させる為に、自然の魔力を取り込む為に何らかのエネルギーを使用している可能性が浮上した。そして、利用されているエネルギーが自身のスタミナであるとも実感する。
腹が減っては戦はできぬ。なので、バックからカロメとコップを取り出し、食事にする。
あの口の中が直ぐにパサパサとなる、そんなに好きになれないスティックを頬張りつつ、【生活魔法】で水を出す。
【生活魔法】”水源”で飲料水を生成し、コップに注ぐ。ダンジョン内は少しひんやりした空気なので、”加熱”で水を温める。魔法とはファンタジーな感じだが、規模が魔法というより種があるマジックなので微妙としか言えない。
水が丁度良い温度になると、そこにティーパックを投下して、紅茶を作る。
一服。
「ふぅ・・・おいし」
ダンジョンの中とは言え、恵奈は次なるボス戦に備えて、一時の時間を過ごした。
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