もちもち天使な幼馴染の大好きは、俺のベッドで甘える事~キスしながら大好きと囁いてくる大好きな幼馴染と、今日もベッドで大好きする~

鈴音凜

プロローグ 大好きな幼馴染の風花ちゃん

「おばさん、おはようございます!」

 突然ですが、皆さんの大好きな人って誰ですか?


「あら~、おはよ~、悠真君。いつもありがとね~、風花の事。そろそろおばさんじゃなくて~、お義母さんって呼んでくれても良いんだよ~?」


「え、お義母さん……い、いや、風花ちゃんとはまだ、そう言う関係じゃないですし、その、えっと……もへもへ」

 家族? 恋人? それとも画面の向こうにいるあの子ですか?


「ふふふっ、まだ、って事は~、そう言う予定があるって事かな~? うふふっ、お義母さん楽しみだわ~、孫の顔が早く見れそうで~。風花と悠真君の子供なら~、すっごく可愛いんでしょうねぇ。うふふっ、お義母さん本当に楽しみだわ~。ね~、お父さん? 悠真君と風花の子供、楽しみだよね~?」


「ふふっ、そうだね、母さん。お義父さんも早く見たいな、孫の顔。50歳までには、おじいちゃんって呼ばれてみたいな。頼んだよ、悠真君! 男の子も女の子も両方から呼ばれるのが夢なんだ、僕は!」


「え、孫、結婚、風花ちゃんと……ぼわっ……そそそそ、そんなんじゃないですから、風花ちゃんは! も、もう! からかわないでください、おじさんにおばさん! と、とにかく風花ちゃん、起こしてきますから!!!」

 好きな人って誰にとってもいるし、それは千差万別大好きいっぱい―だから当然、俺にも好きな人はいる。


「ふふふっ、悠真君がしゃんごしょんしてるよ~? 脚と手、同じ方向に出てるし~、耳まで真っ赤だよ~? うふふっ、これは真美にもいい報告が出来そうだね~」


「き、気のせいです、おばさん! そんなことなってません! お母さんに変な事言わないでくださいよ!!! ち、違いますからね!!!」


「うふふふっ、素直じゃないんだから、悠真君は……素直に大好き、って言えばいいのに~! まぁ、とにかく~、風花の事頼んだよ~、悠真君!」


「も~、おばさん……た、頼まれました!」

 ずっと昔に恋をして、今も変わらず大好きな女の子が。

 小さい時から、大好き、大好きでたまらない女の子が。


「う~、朝からあんなこと言われて、顔熱い、それに……んっ、んっ! ん~、んっ! んっ……よし! ふ~……起きてる、風花ちゃん? 今日はもしかして、起きてたりする、風花ちゃん?」


「す~す~……すやすや」


「寝てるかな、風花ちゃん? それじゃ、今日も失礼して……お邪魔します、風花ちゃん。朝だよ、悠真君が迎えに来たよ!」


「す~ぴ~……むにゃむにゃ」


「ふふっ、やっぱり寝てた。昨日あれだけ頑張って出したもんな、二人で。すやすや気持ちよさそう……ふふふっ、今日も可愛いな、風花ちゃん。今日も変わらず、天使の寝顔! ホント可愛いな、風花ちゃん」

 俺の大好きな女の子は、斜め前の真っ赤な屋根のお家に住んでいて。

 ベッドの中で、すやすや気持ちよく眠る寝顔が……ううん、すべてが天使! 本当に全部天使で、最高に可愛い女の子。


「ふふふっ、風花ちゃん起きて! 起きて、風花ちゃん!」


「むにゃむにゃ、むにゃにゃ……えへへ、悠真君……ふへへ……」


「も~、早く起きて! 早く起きないと遅刻するよ、風花ちゃん。遅刻はダメだから、起きないとイタズラしちゃうぞ~、もちもち……ふふっ、相変わらずのもちもちほっぺだね、風花ちゃん。もちもちもちもち……ふふふっ」


「んんっ、あんっ……えへへ、悠真君……えへへ、ふへへ……むにゃむにゃ」

 もちもちほっぺを筆頭に、全身もちもちふわふわな女の子。

 わたあめみたいに、もちもちふわふわで、甘々な女の子。


「もちもち、もちもち。ふふっ、起きないと持ち持ち続けるぞ~? もちもち、もちもちょわ!? ふ、風花ちゃん!?」


「あむっ、はむっ……んちゅ、ちゅぱっ……んちゅ、ちゅちゅ……じゅるっぷ……ふへへ、悠真君の、ちゅぱっ、おいひい……えへへ、あっ、甘くて、ちゅぷっ、悠真君……うへへ」


「あうっ、風花ちゃん……ややや、や! も、もうどんな夢見てるの風花ちゃん! 指なんて咥えたらばっちいよ、風花ちゃん! 気持ちいいけど、離しなさい! ダメ、風花ちゃん……あぅぅ……」


「んっ! んんんっ! ちゅぷっ、ちゅぱっ……ふへへ、えへへ……悠真君、しゅき、大好き、悠真君……ふへへ……」

 甘い物が大好きで、食いしん坊なゆるふわ天然さんで。

 いつも美味しそうにご飯を食べては、ぷるぷる柔らかいピンク色の唇の周りに可愛いお弁当をつける、そんな食いしん坊な女の子。


「あんっ、風花ちゃん、そろそろ、んんっ……え、えい! は、はい終了! そろそろ起きて、本当に遅刻するから!」


「んちゅ、ちゅぱっ……うへへ、悠真君……あ、あえ? 悠真君、どっか、あ、あえ? ゆ、悠真君……あえぇ……」


「はうぅ、風花ちゃん……も、もう! ちょっとだけだよ! ちょっとだけだからね、風花ちゃん! ちょっとだけ……えへへ、ホントサラサラだな、髪。男の俺でも羨ましいな、それにすっごく可愛い!」


「どこ、悠真君、ふぇぇ……えへへ……にへへ、悠真君いたぁ……えへへ、好き、悠真君もっと……ふへへ」

 セミロングのサラサラの黒髪と、小さなお顔で。

 サラサラの黒髪を、その小さな頭を撫でられるのが大好きな、甘えん坊の女の子。


「えへへ、風花ちゃん俺も……って、朝だ、起こさないと! 続きは夜に……ふ、風花ちゃん起きて! 起きて、風花ちゃん!」


「ふへへ、悠真君、風花も大好き……えへへ」


「も、もう早く起きてよ、遅刻するよ……ええい、風花ちゃん! 本当にイタズラするからね、もう!」

 いつもねぼすけさんで、朝も夜もベッドの中でぐっすり、全然起きなくて。

 ぐーぐーすやすや眠る、まさに眠り姫……だから、いつも俺は。


「んっ、んっ、こほん」


「ふへへ、悠真君……むにゃむにゃ」


「あ、あ……風花ちゃん起きて。起こしに来てあげたよ、その、えっと……風花ちゃんを大好きな、悠真君が起こしに来てあげたよ」


「むにゃむにゃ……ぴくっ」


「風花ちゃんの事大好きな悠真君が、起こしに来たよ。大好きな風花ちゃんに早く会いたいから、大好きな風花ちゃんを一番に見たいから。だから今日も、風花ちゃんを大好きな悠真君が……あえっ!?」

 そんな可愛くて、愛おしくて、大好きな風花ちゃんの耳元に愛の気持ちを囁いていると、ごつんとおでこに強い衝撃が走る。


「あいたたたた……きょろきょろ……」

 その衝撃を俺に与えた張本人は、ベッドから身体を少し浮かして、とろんとした寝ぼけ眼で、きょろきょろ部屋中を見回して。


 そして、その回転が終わると、表情が沈んで行って、

「……あ、あれ? 今、風花、すごい幸せ……あ、あれ? 風花の幸せ、どこ、どこ……あ、あえ? 風花の幸せ、消えちゃった……ううっ、風花の幸せ……あ!」


「いたたたたた……ふふっ、おはよ、風花ちゃん。今日もぐっすりだったね」


「あ、悠真君だ! 朝イチ悠真君だ! えへへ、風花の幸せ、みーつけた……ふへへ、朝から悠真君と一緒で、風花ぽかぽかふわふわだよ。すぐ近くに居ました、風花の幸せの悠真君……えへへ、おはよ、悠真君……けぷっ、す~す~」

 ベッドの上の大好きな幼馴染―高田風花たかだふうかちゃんが、幸せそうな笑顔でそう言うと、再び可愛い寝息を……って起きて風花ちゃん!!!



 ★★★

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