短編集
はる
夜道にて
夜の道を歩きながら、友人の言葉をリフレインさせていた。とりとめもない話だった。人生は重要人物以外は、ほとんどたいしたことのない思考や言葉で構成されているのかもしれないと思う。もしかしたら、それが救いなのかもしれない。自由に、たいしたことのない人生を生きられる喜び。平穏と呼び替えてもいい。重要人物でもない人が、重要人物のようになりたいと願うとき、そこに苦しみが生じる。分、というものを早く理解した人から楽になれる仕組みになっているのかも。今だって、冬にアイスを食べるために夜道を歩いている。それってとってもささやかで、だからこそそこに幸せがあるものなのかも。夜闇に吐息が溶けていく。私のこれからの幸せを味わうために、私はきっと来年も生きていく。それでよかったのだ。
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