第37話 常識の差異

第37話


「き、キツかった………」


宣言通りにお仕置きを喰らい、倒れ伏す俺。


いやぁ、こんなにキツいのは魔王との戦いで二十徹やった時か、無為に十七分割された時以来だ。


アレはもう2度やりたくないし、体験したくねぇなぁ………


「ははっ、酷ぇザマ♪」

「煩いぞ、真昼。」

「ひひっ、そう怒るなよ。草はやして悪かったって。」

「はぁ、怒ってねぇよ。全く………」


そういう所だよ、お前は………


「成る程、そっちでも振り回されてたって訳ね。」

「前世、違い、皆無。」


これだけ見りゃそうだろうなぁ………


でも、俺達の前世はな………


「しかし、暑いな。脱ぐぞ、真夜?」

「おい、お前………いや、ここあ達しか居ないから別に良いか。」

「サンキュー。」

「はぁ!?えっ、ちょ、待っ!!??」

「────驚愕。」


まぁ、そんな反応するよな。


脱ぐと言った真昼は、上半身の服をそこら辺に投げ捨てる。


そして、鬱陶しい物から解放されたがる様にとブラを剥ぎ取った。


「ふぅ、これで開放的になった。こんな胸当て、乳首痛くなるから付けてるだけで、普段は邪魔でしかないんだよなぁ。まっ、真夜が着けてくれるんなら、格別だけどさ?」

「着けねぇぞ?」

「まだ聞いてねぇよ。」

「やっぱり、そのつもりだったか………」


と、上半身裸の女と隣り合って普通に会話するというシュールな図が出切る。


ちなみに、ここあとアリスの二人は、この異常な光景に固まってしまっている。


「えっ、ちょ、S○Xする時じゃないのに、そんな格好で恥ずかしくないの!?」

「痴女。頭、可笑しい?」

「はは、凄い反応だな!私の中の私も、必死に止めてるぜ?まぁ、この方が楽だから嫌だねどね。」

「それは聞いてやれよ、ほら。」


緋咲とやらが可哀想になったので、真昼に俺の部屋に在ったTシャツを投げ付ける。


「えぇ………」

「着とけ、怒るぞ?」

「はぁ、理解わかったよ………」


ボヤきながら、Tシャツを羽織ってくれた。


これで多少はマシになったろう。


そう思ったのだが………


「くぅ〜真夜の匂いがするッ♪最高だな、コレ♡な、なぁ、今から私を────」

「はいはい、後でな。」


多分、『抱かせろ。』とか言うつもりだったんだろうな。


普段なら、『女子って何時もそうですよね!男の事を何だと思ってるんですか!?』とか言いつつも、仲良くしけ込むのだが………


今は色々と事情を話すのが先だろう。


「────まぁ、こんな感じにな。俺と真昼の前世は、色々と今の世界やお前らとの前世とじゃ色々と事情が違うんだよ。」

「だから、全く恥ずかしがらずに裸になったの?」

「おう。簡単に言うと、貞操概念逆転って奴だな。」

「飛鳥、ノク何とかで好きなジャンル、3位の奴。」

「何で知ってるんですか、和泉さん!?」


あれか!?また、スマホやパソコンの中身をイジりやがったな!?


「肯定、ナイスハッキング。」

「犯罪!!圧倒的犯罪じゃねぇか!!!」


いや、無為の奴を見逃してる俺が言えた台詞じゃないけどさ………


「まぁ、私からしたら、こっちの世界の方が貞操概念逆転してる様に見えるけどな。」

「まぁ、当然の話だな。」

「しかも、こっちの真夜は強々っぽい振る舞いじゃねぇか。」

「おい。」

「私の前世じゃ、滅茶苦茶弱々でさ………」

「おい、止めろや。」


何流れる様に俺の恥ずかしい事を話そうとしてるんだ、コイツ!?


「そこの所を詳しくお願い!!」

「ここあさん!?」

「詳細、請求。さぁ、私に早く話すんだ!!」

和泉アリスさん!!??」


どうやら、俺に味方は居ない様だ………


誰か助けて………


☆☆☆


「はっ!?何か勇者が助けを呼んでる様な!!」


でも………


「何かしょうもない事な感じするな。」


なら、今回は………


「よし、ほっとくか。」


まぁ、無敵の勇者様なら大丈夫だろう。


多分、きっと、maybe………


続く


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